ひでやん

コンフェッション 友の告白のひでやんのレビュー・感想・評価

3.7
固い絆で結ばれた3人の友情が強盗放火事件をきっかけに崩れていくサスペンス。

正義感が強い消防士のヒョンテは感情をあまり表に出さず冷静な男。あの日、いったい何が起きたのか?犯人は誰なのか?信じていた友達に疑惑の目を向けるヒョンテ。

世渡り上手で保険セールスマンのインチョルは、ヒョンテの母親の話を聞いて、良かれと思いした事が裏目に出て最悪な事態になる。

ドジで、いつもヒョンテとインチョルに助けられているミンスは、何か頼まれると断れない優しい男。

そんな3人の性格や役割は、中学時代の山登りで既に出来上がっていて、そのまま現在に当てはまる。

毎日ビクビクしながら過ごすミンス、真実を話してくれるのを待つヒョンテ、なかなか本当の事が言えないインチョル。

どんなに仲が良い友達でも、嘘や裏切りや隠し事があると信じられなくなり、溝ができる。正直にどんなことでも話し合いたいが、時には言えないこともある。

隠せば隠すほど辛くなり、疑えば疑うほど溝が深まる。

チュ・ジフンの演技が素晴らしく、インチョルに感情移入していたので、彼の気持ちを考えると切なくなった。

遊技場を経営している母親に会いに行かないヒョンテは悪い。本当の事を打ち明けないインチョルは悪い。だけど、一番悪いのは…ヒョンテのオカンだ。

あの時ああすれば…あの時打ち明けていれば…と後悔しても、時は戻らない。

静かなラストシーンは、悲しくてやりきれなかった。
ひでやん

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