すずきたけし

山河ノスタルジアのすずきたけしのレビュー・感想・評価

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)
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『山河ノスタルジア』

『罪の手ざわり』の時にも印象に残ったのですが、ジャ・ジャンクー作品の画作りは本当に一瞬一瞬が中国の今になっていると感心させられます。

美しい建築と朽ちた住居、小綺麗な洋服を着た主人公とすれ違う貧しい人々、画のどこかには過去と未来、秩序と無秩序、成熟と未熟といった対の構図が画に収められています。
中国の急激な経済成長の中、成長できる者とできない者、人々の営みのギャップのイメージが事の大小を問わずフレームから伝わってくるのです。

特に本作は物語自体が対の構図になっているので『罪の手ざわり』で感じたことがよりわかりやすく伝わってきました。
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