きむきむ

東京無国籍少女のきむきむのレビュー・感想・評価

東京無国籍少女(2015年製作の映画)
3.8
完全に押井守監督作品です!
これまで監督作品が好きなら観る価値があります。
しかしいつもよりは優しかったかなぁという印象です。

芸術系の学校だということもあり、嘘のように綺麗な校内描写が、これが露骨に淡々と進んでいきます。
その中で描かれるいじめや地震、耳鳴りに主人公が作るオブジェ、流れ続けるクラシック音楽…
その描写がなんとも状況を不穏にさせます。それがまるでこの場にあってはならないように。
そしてある時生徒の一人に「お前は何故ここにいる」と問われて…
物語はクライマックスに。

前半は非常にくどいです。しかしその演出が不必要かと問われれば、やはりそれは意味がある事なので仕方ないと思います。
しかし(予告編を観た方は知っていると思いますが)後半のアクションシーンは圧巻です!その辺洋画よりも上手いです。
彼女のコンバットはまさに芸術そのものでした。

物凄い数の伏線が散りばめられている為、この手の手法をしっている方ならば途中でラストの展開が予想できると思います。
しかしそれでもクライマックスは本当に眼を見張る物があり、感動すらしました。
それに今回は上記したように、割と答えを教えてくれるのでモヤモヤも無く劇場を後に出来ます。

久しぶりに押井守監督作品を鑑賞したので、改めて「押井守はこうでなくちゃ」と思える作品でした。
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