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マルガリータで乾杯を!のデイのレビュー・感想・評価

マルガリータで乾杯を!(2014年製作の映画)
4.5
素晴らしい!!

この映画はインド映画の概念…インド映画に持つイメージを全て覆した映画でした。

知らずに観たらインド映画とは気づかないはず。
まあ、映画の半分はNYが舞台ですが…

主人公ライラを演じるのは白人…フランス人女優のカルキ・クラウン。
彼女はフランス国籍でありながら、フランスに一度も住んだことも無くて、生まれも育ちもインド。

エレンペイジのような透き通った魅力を持つ女優さんです☆(^-^)

真っ白な肌で緑色の瞳。
それでも、彼女の演技力で違和感無しに観れました。
(最初はちょっと、あれ?って思ったけれど。)

この映画で描かれているのは
障害者、性、同性愛、バイセクシャル…そして家族愛。

なかなか、宗教や伝統や習慣やらでインド映画では描かれて来なかったテーマです。

主人公のライラ(カルキ・クラウン)は大学生。
身体全体が硬直して動かせない障害者です。
言葉も上手く発音出来ないし喋れない。
電動車椅子に乗っている。

そんな障害者の10代終わりの女の子だけれど
そんな彼女だって”性”に興味は持つし、エロ動画を観てオナニーだってする。

男性のマスターベーションのシーンは映画の中で多々観るけれど、中々、女性のそんなシーンは描かれて無いですよね。
そこがまだまだ男女の差があるのかなー。
でも、エグくは描かれてはいないですよ☆

ライラはとても可愛くて美人なのに、障害者の壁はやはり大きい。
健常者の男の子に恋をしてもフラれてしまう。

ハッキリ言ってしまうとライラのおうちは金持ちです。
失恋したライラのためにニューヨークの大学に編入させちゃうぐらい。

(ニューヨークは人種の坩堝だし、障害者だからってジロジロみたりしない”ほっとく感”がなんか良かったな☆)

ライラはニューヨークで盲目のパキスタン人の女の子ハヌムと知り合います。
目は見えないけれど、身体の不自由やハンデは全く感じさせないハヌム。
目は見えるけれど身体の自由は利かないライラ。
やがてお互いの目となり足となり2人は仲良くるのですが…

やがて、2人は恋人同士に。
障害者同士のマイノリティーに加え、レズビアンというマイノリティーで、マイノリティーマイノリティーに。

ライラの初体験は女性とのセックス。
でも、男性とのセックスはどんなものだろう…。
ライラはそんな想いが心の奥底から消えないの。

ライラにハンデがあるから、ママはライラのことを少し過保護なのだけれど
でも、ライラとママの関係も良かったな。

ライラのママみたいに社会に出れない女性もインドにはまだまだとても多いのだろうな…。

原題は
「マルガリータにストローを」
この題名の意味が良く分かるし、この題名のほうが良かった気がするな。

観終わってすがすがしい気持ちになりました。

「幸せは自分の心が決める」
まさにライラはそんな経験をして、まさにそんなふうに生きていると思う。

インド映画に全く興味が無いかたにもオススメです。

アメリカ映画のようなインド映画。
1人の女の子の「生きる」物語でした。
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