ぐら

ロブスターのぐらのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.9
ヨルゴス5作品目
他4作品と出演者が被っていることにちょっとテンションがあがる
それぞれが全然キャラが違うようで、どこか似ていて、前世の記憶をうっすら感じながら見ているような感覚

哀れなるものたち、女王陛下のお気に入りは章で区切られていたり、今回はナレーションが入ったりと、本を読んでいるような感じで、少し距離があって、どこか他人事
聖なる鹿殺しと同じで登場人物たちに全く表情がない、淡々と、本当に淡々と、人伝てに聞いた話の寸劇をやっているような温度感のなさ
伝え聞いたかのようなナレーション、過去のことを思い出しながら話しているようなところから、ナレーションがなくなって現在の時間軸に繋がっていく

似たもの同士でしか番になれないのか?
実際の世界でも価値観や波長が合うことはパートナーを選ぶ上で重要視されるけど、そんなふわっとしたものではなく、身体的特徴や癖、変えられるものではない要素の類似性を強く求められる

失目してしまったパートナーと一緒にいるには失目するしかない
パートナーのために失目できるのか
いろんな捉え方ができる余白を残したラスト。
主人公がパートナーを裏切って逃げたというよりは、パートナーか失明か、を悩み続けている時間が永遠に続いているように感じるラスト
物語としてはエンドでも、彼らの物語は続いているような、そんな感じ

映画全体を通して、いろんな表現がすごく誇張されているんだけど、独身の人が人でなくなってしまうことも、独身たちが隠れるように自由の世界でサバイバルに生きて行くことも、その自由の世界では恋愛が禁止なところも、みんな明言しないだけで心のどこかで理解している社会の縮図、世界のデフォルメ
全くリアルじゃないのに構図がリアルで怖い

“好きじゃないものを好きなふりをするのは、好きなことを隠すより難しい”
極端な表現ではあるけどこれは真理




ボーダーコリー出てきた時点でちょっと不安だった
どうしてボーダーコリーを殺すんだ、、、
文脈上必要な表現だったのもわかるからlambよりはまだ許せるんだけど、どうして、、どうしてボーダーコリーなんだ、、、
ぐら

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