ぐら

ふたりの女王 メアリーとエリザベスのぐらのレビュー・感想・評価

3.4
女王陛下のお気に入り鑑賞後、この時代が気になって関連作品として鑑賞、その2
(早くもこの時代の作品に胸焼けし始める)

周りに置いておく人間の選び方
誰を信じ、誰を切るのか
それが女性として王座に就き続ける全て
自分たちの現世はそこまでではないにしても、未だ女性の生きる道の重要な要素のひとつだと思う

この時代の家族は家族としていられない
自分以外の他人を信じることが難しい
もし別の時代を2人が生きていたらどうなっていただろうと少し考えてしまう

女王陛下のお気に入り>ブーリン家の姉妹>ふたりの女王の順番に心理表現の要素がなくなっていって、情報操作などの理解ができない範疇の要素が多くなってきて、見ていて面白いと思える気持ちよりも辛い気持ちの方が大きくなってきた
うまく立ち回らないといけないのは自分の世界も同じ、人を人として見れなくなりそうで怖くなる
現実から遠いはずなのに近く感じて辛い

メアリー主観で見ているとどうしてそんな辛い状況になってしまうのかわからないし、すごく理不尽なんだけど、俯瞰してみているとすべての人々がゲームのようにひとつの勝ち(王座や政権)を狙っているだけである意味シンプル
その時代に生きている時点で野心がなくともゲームの舞台から降りることはできない
野心がない者は搾取されるしかない
その弱肉強食な社会の構図は今も変わらないがあからさまにエスケープルートがなくて辛い


唯一の救いは外からの自然光のゴッドレイが美しいこと
時代的に照明が自然光に頼りがちなライティングで空間的でとても綺麗
メアリーの出産シーンも綺麗ですきだった
ぐら

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