イラン政府から「20年間の映画製作、脚本製作、海外旅行などの禁止令」を出されてしまったパナヒ監督のその後の作品。
監督自身がタクシー運転手になり次々乗り込んでくる乗客の会話によってイランの現実社会を映し出す。
偶然乗り合わせた路上強盗と女教師の会話、海賊版DVDの販売業者の言い分、古くからの迷信を信じて金魚鉢を抱えながら乗り込んで来た老姉妹…。
ドキュメンタリー風でありながらしっかり計算された会話だと途中から気づく。
取分け印象的なのは、姪っ子の目を通して語られる学校での授業の様子と彼女の目にする現実社会。
それにしてもオープニングで出て来る交差点、横断歩道もセンターラインも無く群衆と車が入り乱れて動き出す…あれは怖い ((((;゚Д゚)))
それもイランの社会のひとつの現実。