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さらば冬のかもめのHKのレビュー・感想・評価

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)
3.8
この作品も昔から知ってはいましたが初見です。
アメリカン・ニューシネマ時代の『イージー・ライダー』『ファイブ・イージー・ピーセス』などと並ぶジャック・ニコルソンの代表作のひとつ。
この年のカンヌ映画祭ではパルムドール候補となりニコルソンは男優賞を受賞。ニコルソンは昔からゴーデングローブやアカデミー賞にしょっちゅうノミネートされてます。監督は『帰郷』『チャンス』のハル・アシュビー。

2人の海軍士官が罪を犯した新兵の護送を命じられます。懲役8年と聞いてどんな大罪人かと思ったら僅かなお金に手をつけただけの未成年の新兵でした。冬の寒空の下、この3人の1週間の刑務所までの旅を描くロードムービーです。
アメリカン・ニューシネマならではの、なんとも言えずやりきれなさが残る切ない作品でした。

護送する士官の一人がニコルソンで新兵はランディ・クエイド(70年代は弟のデニスよりも兄のランディの方を脇役ですがよくみかけました)。
他に見た顔では、ほぼセリフもなしで『殺しのドレス』『ロボ・コップ』のナンシー・アレンや『夕暮れにベルが鳴る』のヒロインのキャロル・ケイン(『アニー・ホール』他)も出てます。

途中でなぜか日蓮宗の事務所が出てきて、願いが叶う言葉として新兵が覚えるのがなんと“何妙法蓮華経”。洋画で西洋人がことあるごとにこのお題目を唱えるのはなんとも不思議な光景でした。
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