10円様

アクアマンの10円様のレビュー・感想・評価

アクアマン(2018年製作の映画)
3.9
「全ての魚を味方にする男」

いや、シャチいるし…

このキャッチコピーを見た時、配給は完全に宣伝を諦めてるか別角度から狙ってるなと思った。陰りだらけのDCEUだもん当然よね。アクアマンは初動6400万ドル。DCEU史上最低のオープニングで幕を開けたわけだが、不思議な事に週を重ねても数字の落ちが低く、気がつけば3億ドルを越える興行収入成績である。この数字の動きにはさすがに魔法にかけられたようである。思えばジャスティスリーグで初めてアクアマンを観た時、こいつの単独映画はさすがにコケるだろうと思った。ジェイソンモモアやアクアマンというアイコンの知名度の低さだけではない、ザックスナイダーの描いたアトランティスというものが、非常にダークすぎて深海の寒さと暗さしか伝わらないのである。しかしジェームズワンの手掛けた海底世界はファンが期待しているものそれそのものである。パティジェンキンスの功績含めテコ入れは整った。あとは製作陣がどう遊んでくれるか。また一風異なったテイストのシャザム!も含め今後のDCEUの巻き返しには目が離せない。

肝心の映画の内容はさすがジェームズワンというべきかカメラワークの動きがハンパなく、アクション映画にありがちな「今どうなってる?」状態であった。海底世界にあれだけ色彩を織り交ぜているのだ、目が疲れる…しかし理屈も理論も力技で押し曲げるハリウッドスタイルはやはり観ていて清々しかった。またホラーテイストなシーンも言うまでもなくワン監督である。この人が撮れない映画あるの?
物語はまあ分かりやすいのだが、色々冒険して様々な種族と出会って詰め込みすぎ感は否めなかった。どんな種族がどこと締結していてどこと敵対しているかイマイチ伝わり難い。本来なら前後編に分けてもよいスケールを無理矢理短縮したものだから壮大な兄弟喧嘩にしか見えないのかな?勿体ないけど、アクアマンは基本DCEUの一部だから人となりが分かれば良いのか。だとしたらこれほど傑作なキャクター紹介映画はないだろう。

もう一つ勿体なのがブラックマンタである。あれだけアクアマンへ抱く憎悪の動機を描いていたのに、あんなに素敵なフォルムや強力な武器を持っていて尚且つ人間味を持ってヴィランとしては申し分ないのに今回は海底の壮大なスケールに負けてただ噛ませになってしまった。これで終わるわけないはずだが、DCEUはヴィランに魅力がないと巷では言われる。(そんな事ないと思うが)今後どの物語に入ってくるかも楽しみだ。

パティジェンキンスのワンダーウーマン
ジェームズワンのアクアマン
ジェームズガンのスーサイドスクワッド2
またもホラー畑から参戦のデヴィッドFサンドバーグのシャザム!
ハーレイクインのスピンオフ作品、
ベンアフレックのバットマン降板。などなど
ザックスナイダー色で失敗の危機にあるDCEUは今年から復活の兆しが見え始めた。(スナイダーのエンジェルウォーズは好きなんだけどな)
でもせめてエイミーアダムスは続投させて〜

しかしとりあえずは来月から始まるMCU祭りに待ちましょう!キャプテンマーベルとエンドゲームでタイムラインがすごい事になるのが予想できます。もちろん私も参戦しますよ〜
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