戦う若者たちの作品情報・感想・評価

「戦う若者たち」に投稿された感想・評価

Filmomo

Filmomoの感想・評価

3.9
①これは戦争版『手錠のまゝの脱獄』である。だから、主軸は1小隊内の偏見や対立があり、憎しみが生まれるものの、生き残るためにはリーダーに従い、団結せねばならないというテーマを描くものである。ここにフォーカスするために、敵は全員ゴーグルやマスクで顔を隠した「ノン・キャラクター」だ。(これと似ているのが『明日に向って撃て!』に登場するブッチ・キャシディとサンダンス・キッドを追跡する男たち)なので、この映画を「先住民をアジア人に置き換えたレイシズム的戦争映画版西部劇」と批判するのはお門違いで、純粋に『手錠のまゝの脱獄』の戦場版をやろうとしたことに対して批評するべきだろう。②ところでその試みは及第点は得ているものの、非戦闘場面のまったり感がなんともいえないムードを作っている。もっとも、戦場でもこの映画のように故郷の歌を歌ったり、身の上話をするようなことはあったはずで、そうした安らぎの時間は敵の奇襲で途切れてしまう。③アラン・ラッドが死ぬ4年前の作品で、とはいえ当時47才、まだ初老というのには早すぎる。同じ年の『地獄へ片足』の方が50を超えているように見えるが、拳銃による自殺未遂をする前でもあり、まだまだ敏捷な動きとタフなキャラクターは生きている。未熟な若者とベテランの対比も良く、シドニー・ポワチエとの釣り合いも取れている。それにしてもアラン・ラッドに対して『シェーン』以降は低迷と評されるのはつらい。カナダ国境警備隊の活躍を描く『サスカチワンの狼火』もブロンソンと共演した『太鼓の響き』も、少年犯罪を描いた晩年の『西十三番街』も良くできた作品である。そういう先人批評家のレッテルがアラン・ラッドを追いこんだのであって、観客はアラン・ラッドを愛し、もっと彼の出演作品を望んだはずだと思う。