カルダモン

湯を沸かすほどの熱い愛のカルダモンのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.1
表面だけすごく熱くて、足の先入れてみたら下の方はすんごい冷たくて、なんだよ!って若干イラっとしながらかき混ぜたら程よくなって、結局いい湯加減。表面だけではわからない心。内側なんて自分自身を顧みたってよくわからんし。混ざればいいんだ何もかもが。好きな色がまったく違う母と子でも、赤も水色も一緒くたに。混ざれる家族は美しいよ、純色じゃなくても。血が繋がってなくても。 風呂とか色とか比喩がグチャグチャだけどまあいいか。

双葉(宮沢りえ)が自ら浴びたことのない母親像を、誰にも教えられずに体得していく姿は強い。だらしない男だろうがヒッチハイカーだろうがとにかく向き合う。多少強引にでも。子供は子供で自分の言葉を絞り出す。

子供達の存在がありがたい。頼もしくて、こっちを向いて見て聞いてくれている。応えてくれている。血は繋がってなくても、私はあなたの母。母親の存在がありがたい。頼もしくて、こっちを向いて見て聞いてくれている。応えてくれている。血は繋がってなくても、私はあなたの子。

ラストの飛躍にビックリ。葬儀場としての使い方、お湯の温度の感じ方は他にない。正直、ガンが発覚したところで苦手かもって思ってたんだけど、まったくそんなことはなく、ラストで見事に持っていかれました。鮎子と安澄の姉妹グルーヴが発生していくのもいいね。




余談
湯が沸く音が響く食卓。朝からしゃぶしゃぶルールは流石にやったことないな。タカアシガニも食べたことない。杉咲花は回鍋肉のCMのイメージがあるせいか、食卓がよく似合う。

最近見なくなったけどお神輿みたいな霊柩車、屋根が十字架の形してるって初めて知った。あれならクリスチャンもOKってことなのか。すげー。