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シャザム!のmaverickのレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
4.3
子供の頃に海外に住んでいたことがあって、その時にこの『シャザム!』のアニメをよく見ていた。だから実写化が決まって嬉しかったのと同時に、あんなマニアックなヒーローを映画にするんだ!?と驚いた(笑)。日本での知名度はかなり低いと思われるが、本国アメリカでも大ヒットした本作を機に、日本でも大人気のヒーローになるだろう。非常に魅力的なスーパーヒーロー映画。笑って楽しめる作品性が最高!主人公の少年が「シャザム!」の掛け声で、筋肉ムキムキのスーパーヒーローに変身する。見た目は大人、中身は子供のギャップがまず面白い。これが他のどのスーパーヒーローとも違うシャザムの特徴で新鮮。それを生かしたコミカルさで笑わせてくれる。突然、謎の魔術師に強力な能力を授けられた主人公は、そのスーパーパワーに興奮せずにはいられない。その能力を試しに試しまくるのだが、ノリは中学生のそれ。いや、小学生レベルの行動(笑)。そういう子供っぽさを上手く生かした作りが本作の成功の要因に他ならない。相手がどれだけ凶悪な悪者でもふざけたテンションで対抗するため、絶妙な化学反応が起こり、それが笑いに変わるわけだ。『デッドプール』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に似てもいるが、ふざけた大人ではなく、無邪気な子供というのが大きく違う。また、子供が故にスーパーパワーを手に入れて浮かれまくってしまうのも『スパイダーマン ホームカミング』と似ているが、少年が大人に成長する物語という主軸は同じでも、大人の体で戦う子供の苦悩というのは本作の唯一無二のもの。能力は他のキャラと被っていても、シャザムという独自のキャラクター性を上手く使った作りが本作の魅力。予告ではコメディに完全に振り切っているように見えるが、苦悩しながらも主人公が成長する過程には胸を打つドラマがあるし、ホラー映画出身の監督らしさが光るおどろおどろしさもスパイスになっている。若干もたついて間延びだと感じる所もあって、やっぱりマーベル映画ほどの完成度には届かないかも。でもマーベル映画にもない独特なスーパーヒーローさを確立させた点は非常に大きい。DC映画の幅を広げた画期的な作品となってくれた。こんなに笑えて楽しめるDC映画はこの『シャザム!』だけだろう。小ネタやオマケも満載。『ジャスティスリーグ』と同じ世界観のDCエクステンデットユニバースとして、これは期待を持っていい内容なのでは??とにかくDC陣営にはガンガン作品を作ってもらいたい。作品をしっかり練るのは構わないが、多少コケただけで壮大な企画を次から次へと白紙にするのはいい加減やめてほしい。『シャザム!』は続編やるんだろうし、他のDCキャラとも絡めてもらわないと。『ワンダーウーマン』がDCの救世主かと思ったけど、実は『シャザム!』だったのかも。期待と希望を持たせてくれる映画だった。エンドロールが至高すぎるぜ!!
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