Tラモーン

ターボキッドのTラモーンのレビュー・感想・評価

ターボキッド(2015年製作の映画)
4.0
フォロワーさんたちが結構観ていて前から気になってたやつを!


1997年。核戦争後の荒廃した地球は、貴重な水資源を求めて戦争の絶えない世界と化し、生き残った人類は小さなコミュニティを作って生活していた。そんな中でコミックヒーローに憧れる少年キッド(マンロー・チェンバーズ)は廃品を漁り生活していた。ある日彼の前に突然現れた少女アップル(ロランス・プルーフ)。最初は警戒心を示すキッドだったが、強引ながら天真爛漫な彼女に次第に惹かれていく。しかし、地域を治める悪徳首領ゼウス(マイケル・アイアンサイド)によりアップルが誘拐されてしまう…。


なんだこれ!すげえ!自転車版マッドマックス!ほとばしるダサ'80s感!

オープニングのキッドのチャリンコアクションとダサめのハードロック!そして80年代丸出しのタイトルどーん!から引き込まれちゃう謎の面白さ。絶対低予算なのにそれを逆手にとったかのような絶妙なレトロ感。

キッドのターボキッドコスチュームはポップで可愛いし、アップルは眼力強すぎてちょっと怖いけどピンクの髪の毛もパステルなメイクも可愛い。なにより敵キャラも含めて常に自転車なのが微笑ましい。

それなのに血飛沫舞い散るゴア描写は容赦なし!80年代感のあるチープな表現ではあるんだけど、とにかく血を吹き上げてぇんだよ!という気概を感じるほどにとにかく血の量が凄い。

大筋のストーリー的には邪悪な支配者をやっつけるヒーローモノって感じでベタなんだけど、キッドとアップルの切ない恋物語が個人的にガッツリツボにハマってしまった。
序盤では表情怖っ…と思ってたロランス・プルーフが気がつけば絶対に守りたい女の子に変わっているからビックリ。キッドにめちゃくちゃ感情移入して、アップルのこと命に換えてでも守りたいとすら思ってしまった。ケタケタ笑ってるだけかと思いきや中盤突然切ない方向に持ってくのズルいよ〜。急に演技に切ない深み出してくるんだもん。

クライマックスのパラソル血飛沫キスシーンが素敵過ぎてうぉおぉぉぉぉ!って変な声出しながらガッツポーズしてしまった。
からの切な過ぎるラストシーン。ぼくもアップル抱き締めたい。
観始める前はこんな気持ちになるなんて思いもしなかったなぁ。最高の鑑賞後キュンキュン切なさです。


"夜になったら空を見てね"
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