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ちはやふる 下の句のyumeayuのレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
3.5
SNOW SNOW

「上の句」を見たテンションそのままに「下の句」を鑑賞。が、しかし…乗れない。あれあれ⁉︎
人間ドラマが主軸になり、あのテンションとスポ根度は鳴りを潜めてしまった印象。

良くも悪くもカルタ部の活動の描写は前作とそんな変わらないんだけど、キャラクターの性格が変わってしまった気が…。

まず、千早が自己中過ぎてついてけない。
天真爛漫も度がすぎるとイライラする。
それに対して、太一はともかく他の部員達がいい子すぎる。中でも机くんがいい奴キャラに変貌して、毒っ気がなくなってしまった…。

サブキャラが主要キャストのための都合の良いキャラに成り下がってしまったように感じた。
部活マンガなんだから、天才やエース以外の人物も丁寧に描いてほしかった。見る側はそこに共感し、自分を投影するのだから。
特に机くんなんて、部活やスポーツを経験した人なら誰もが共感するようなキャラクターだったのに…。
「上の句」はそれがあったから楽しめたんですけどね。

しかし、そんな中でも光を放っていたのは、クィーンこと若宮詩暢の存在。
演じた松岡茉優の魅力が存分に発揮されていましたね。なんなんでしょうか、あの凛とした色気は。

そして、クライマックスは圧倒的な実力を持つ若宮に千早が挑むわけですが、その余波であれだけ苦労して勝ち取った全国大会(団体戦)のプライオリティが低くなってしまった。
個人戦でも、チームで戦っているということを描きたかったのは分かりますが…。

試合展開も前作と似たような展開で、ちょっと面白みに欠ける。
ポンポン肩を叩けば起死回生!
髪をかき上げれば能力覚醒!
もはやカルタ部の必殺技ですね(笑)。

どうしても腑に落ちないことが多く、カルタ部のシーンにはイマイチ乗り切れなかった。

それとは対処的に、真剣佑と松岡茉優の二人シーンは演技も非常に落ち着いていて素晴らしかった。
自然豊かな福井のロケーションもよかった!
真剣佑演じる新の内に秘めたカルタへの情熱と葛藤にはグッときましたね。

全体的に決してつまらなくはないのだけど、前作にあった疾走感が不足気味に感じました。
これは前後編もののデメリットなのかもしれない。

真剣佑と松岡茉優がいなかったら、評価は全然違ってたかも。「結び」に期待。
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