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COP CAR コップ・カーのyumeayuのレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
3.0
"大人は危険な動物だし、場合によっては人も殺すぜ"

絶賛家出中の少年二人。
チ○コ、プッ○ー、ア○ホールといった思いつく限りの卑猥な言葉を連呼し、草原をあてもなく歩き続けていると一台のパトカーを発見。
近くに人影はなく、鍵も空いている。
二人はパトカーに乗り込むとバディ映画のように"ごっこ"遊びを始める。
憎らしくも微笑ましい場面だが、サンバイザーから車のキーを発見してしまったことで、事態は思わぬ方向に…。
好奇心旺盛の二人は、マリオカートを操る感覚でエンジンをかけ、パトカーを発進させる…。

しかし、このパトカーはケヴィン・ベーコン演じる悪徳保安官のものだったから、さぁ大変!

…と、まぁよく考えるとたいした話ではないのだけど、なんか不思議な魅力がある映画。低予算映画のお手本のような作品ですね。
サンバイザーから車のキーが見つかるのは向こうではデフォなのか⁉︎ とツッコミつつも、結構好きだったりする、こういう作品。

少年達がなぜ家出したのか?
保安官はどんな悪事を働いていたのか?
その辺の詳細は多少匂わす程度の描写があるだけで、細かくは語られません。
それでもシチュエーションと役者の演技力でぐいぐいと惹きつけられるので、不思議と薄っぺらさは感じない。この無駄のなさとテンポの良さがいい。

今作の監督はジョン・ワッツ。
彼はこの後、「スパイダーマン ホームカミング」の監督に抜擢される訳ですが、おもしろいのはスパイダーマンでも"怖い大人=ヴァルチャー" "調子に乗った子供=ピーター・パーカー" といった具合に「子供を追いまわす怖い大人」を描いているところ。

なんでしょう、これはこの監督の作家性なんですかね。何か一貫したテーマでもあるんでしょうか?
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