このレビューはネタバレを含みます
ミシェル・フランコ監督の作品を全部観てみようと思って視聴。
【この物語を一言で言うと】
終末看護やってるデイヴィッドさんの終末看護の様子を淡々と見せられる話
【この物語を通して主人公は何を手に入れるのか?】
何が欲しかったのか…人の死に向き合うこと
何が必要だったのか…自分で納得出来ること
差分…強制的に納得せざるを得ないんじゃないかな…。
【似たような他の作品と何が違うのか?】
固定カメラ、BGMなし、説明なしという監督の演出手法
【感想】
マヂでラストが予想通りで…嫌な予感してたんですけど、こういう最悪な終わり方させそうやな、って思ってたらホントに最悪の終わり方して、めっちゃ声出ちゃいました。
いやぁ、ディヴィットさんが、嘘ばっか言うし、行動は不可解だし、なんかヤベェ人に見えて、こいつの企みは何だ?って勘繰ってたんですけど、終盤に見え隠れするディヴィットさんの苦しみを鑑みると、何となく行動原理がわかる気がしますね。
これも、対象喪失と喪の仕事ですが、この喪失を自ら繰り返すプロセスが、言い訳っつーか、自分への罰というか、すげぇやるせないんですよね。この感覚、上手く言語化出来ない。でも、凄いわかる。そうすべきだと、思える、というか、そうしないと折り合いがつかない。説明がつかない。誰かを喪失し、その責任が自分にある時、自分が生きてることや、普通に生活できることを自分で受け止める為には、他人には意味不明な誓約と制約を人は引き受けると思うんすよね。
で、理不尽や葛藤も全て含めて、それさえ、些事みたいに突然、奪われる。もしかしたら、自ら捨てたかも知れない。
これをどう捉える?って問いが、ホントに考えさせられます。
わからなかったのは、ジムのタオルのシーンと新しい靴を履くシーンかな、あれはどういう意味だろう。
そして、仕事がなくなり新しい街に引っ越してジムではなく、ランニングになった時点で、僕はラストを、この終わり方だったら最悪だなって思い浮かべてました。
そして、予想以上にエグかったです。
父の秘密のラストも凄い好きなんだけど、このラストも衝撃的でした。
緒方貴臣監督とミシェル・フランコ監督って、根っ子が、めっちゃ似てるんすよね。どっちも好き。