KANA

私、君、彼、彼女のKANAのレビュー・感想・評価

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)
3.6

ベルギーの女性監督シャンタル・アケルマンが監督&主演。

いや〜なんとも独特なシュールさ。

引きこもりっぽい主人公。(アケルマン自身)
狭い部屋で突然ベッドの位置を変えてみたり、ひたすらペンを走らせたり、全裸になってゴロゴロしたり、窓の外をぼーっと眺めたり。
他人の何でもないプライバシーを隠しカメラで覗き見してる気分。
袋からスプーンですくってパクパクと一体何を食べ続けてるのかな、ヨーグルト?とか思ったら、ナレーションで砂糖だと!
いくらなんでもあの量はヤバいでしょ笑 

続いて、外に出てヒッチハイクして乗せてもらったトラック運転手とのパート。
彼も彼女も全く言葉を発しない対話シークエンスからの彼の性処理。
そこから彼がバックグラウンドを語りまくるなど急に饒舌になる不自然さが面白い。
でも彼女はニタ〜っと彼を見つめながら相変わらず一言も話さない。
この薄気味悪さ…寒気がした。
でもクセになる。

そして最後は本気の彼女?の部屋にて、食欲から性欲爆発へ。
激しすぎるベッドシーン、しつこいくらい長い。
何ラウンドするの!?レズビアン用のAVもしくはプライベート動画を延々と観させられてる感じ。笑
序盤のモソモソパートも彼との言葉なき対話も、このエクスタシーのための溜めだったのか?
(監督の性癖はよくわかりましたw)

情緒はない。アートでもない。
当時24歳にしては体型崩れてるし、特別美人とも言い難い。
だけど70年代に女性がここまで飾らない素を晒す度胸と奔放すぎる感性に圧倒された。
10代でゴダール作品を観て映画監督を目指そうと決意しただけある!
KANA

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