mingo

現像液のmingoのレビュー・感想・評価

現像液(1968年製作の映画)
4.0
ショットの強度の素晴らしさとエポックメイキング的映像だったのは決定的。
以下トークショーメモ。
レイナルのトゥワイスと同じポラロイド写真のような映画。無意識が映画を作る。なにかが集中し何かが動く。
五月革命。終焉に向かっている間、5月27日に撮り始める。ほぼ編集もなく、サイレント。7.8回観てるが理解したと確信できない。69年には4本撮ってた。夏に集中、次に処女の寝台、内なる傷跡
。シルビナボアソナスがいたからお金を出してシナリオも商業的要求もなかった。
考えすらしなかったもの。分析するのはひかえるべき。辿ってきた奇跡を話したい。言葉より経験とパフォーマンス。アントナーアルトー詩人。1947年に書かれ、86年に発見された。言語が去って10年という本。68年、大島渚の戦争戦後秘話を思い出させる。沈黙と演劇の2つの道。リヴェットや溝口ベルイマンたち、その中にガレル。ラディカル性。狂気の演劇は沈黙と言葉の拒否。75年、マルクショロデンコー、ランボーの皇帝の誘惑。アンドレブルトンしかり映画は夢の素材。フロイトは人間は夢を見るときモノクロ。現像液はそれを再現。アントナーアルトーはガレルなのではないか。シュルレアリストの中でも個性を築きすぎて居場所がなくなった。それは冒険があまりにも内的だったから、ザンジバルグループにおけるガレルの位置関係に似てる。無声映画のもので一本もトーキーはないが、言葉を廃棄する暴力性はない。68年にたった19歳の若者が形式的に言葉を排除する。暴力。
70年から一見写実主義自然主義へといくが、内なる傷跡のように象徴的な暴力性を抱えている。結局はうちに現像液を携えたからフランスで独特であると言える。言葉の中に沈黙がある。
mingo

mingo