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バーフバリ 伝説誕生のしおえもんGoGoのレビュー・感想・評価

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)
4.0
「ムトゥ踊るマハラジャ」の最新アップデート版みたいな感じ。
スタイリッシュに最新映像技術を使っているけど、あのムトゥを初めて見た時の衝撃と笑撃そのまんま。貴種流離譚もインドのスペクタクルの定番なのだろうか。

ムトゥの感想にも書いた記憶があるけれど、インドの人としてはこのダンスシーンとか「んなわけあるかい」とツッコミたくなるシーンの数々は笑いどころなのかな?
それとも私達がサスペンスドラマのラストに犯人が崖に行くことに大した疑問を持たないように、そういうもんだで見てるのだろうか。

とにかく豪華絢爛。なんでも山盛りのてんこ盛り。
ストーリーも起承転結ではなく、起承起承転のような感じで、それも「起♪♪承♪♪♪♪起承承承承てーん!!!」のようにもうどこに連れて行かれるのか予想がつかない。先の事は考えずにただすごいすごいと乗っていくしかない。

ヒロインのアヴァンティカはめちゃくちゃ美人で、シヴドゥによって女らしく変身して戸惑うシーンも笑ってしまうけれども可愛らしい。インドらしく歌と踊りで匂わされたラブシーンも美しい。
さあ彼女とシヴドゥが大活躍と思いきや、さらに強い女デーヴァセーナが登場。ハリウッドではあまり見ないギンギンに充血した目で狂気一歩手前の表情で25年も不遇に耐えて恨みを募らせる母親にびっくりしていると、回顧編でさらに強い王妃シヴァガミが出てくる。我が子を優遇することなく民を思い、「これを法律と心得よ!」の決め台詞と共に国を治める。情けない夫のことなど歯牙にもかけず、敵に侮辱されると辺りが血の海になろうと殺してはならん生け捕りにして苦しめろと命じる。痺れるわー。私は吹き替え版で見ていたのだが、この啖呵があまりにカッコ良くて思わず何回も見てしまった。
そして最初にシヴドゥを助けたのがこの人だったことにようやく気付く。あのシーンもめっちゃカッコ良かった。

なにこれ?前半まではアヴァンティカが美しく強いヒロインだったのに、後から後から強力な女性キャラがどんどん出てくる。シヴァガミを見た後ではアヴァンティカなんて甘ちゃんですっかり霞んでしまうほどだ。

日米の映画を中心に見ている私の映画のセオリーからは外れた面白さも体験でき、その何事もToo Muchな表現も楽しめた。

難点は特にバーフバリ編になってから険しい顔の髭面濃い顔オンパレードなので、とっさに人の区別がつかない事だろうか。モブ兵ですら主役級に顔が濃い。
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