ショウコ

さようならのショウコのレビュー・感想・評価

さようなら(2015年製作の映画)
3.1
何と言っても「アンドロイドが出演している映画」なところですよ。お値段1000万円の女性型お手伝いロボが登場します。生身の人間がラバーでメイクしてんのかと思ってたんだけど本物なんですね👏遠隔操作とは言え映画で演技させるのは世界初との事。凄いしなんかエロいしテンション上がる!夢の未来はすぐ近くだ!

…と推したいとこですが、動くのは台詞に同期した唇とマバタキ、あと首がちょっとだけ。オマケに脚は故障中らしく車椅子移動…あれれ

調べたらアンドロイドとは「ヒトを模したロボ」を指すんだそうで、ゼンマイ仕掛けのオモチャもアンドロイドと呼んでOKなんだとか。これだったらチャッキーの方がよっぽど芸達者ですね。定義の問題?

舞台は原発事故で住めなくなりつつある日本。難民として諸外国へ出ていく人々や、前科などのペナルティで脱出の順番がなかなか来ない人、病気で命が消えていく持ち主…といった「衰退と死」をアンドロイドちゃんが見つめる話。近未来感はほとんど無く、荒寥とした田舎風景と詫びしさを湛えた鬱映画でした。死を待つ持ち主との淡々とした会話は「風が吹くとき」を思い出します




「持ち主が死んでしまってもアンドロイドちゃんは死にません。人間の居ない孤独の世界に取り残された彼女の姿はより一層死というものを引き立たせるのだ…🍃」

って感じでアートなカッコ良さはあるんですが、結構中身がとっ散らかっててなんだこりゃ?ってのが正直なところ😕持ち主が日本語とフランス語と英語を織り混ぜて喋るし、何かにつけアンドロイドちゃんが既存の詩を朗読するのでその時間がすっごく退屈。家族のつながりとか格差、人種問題などに薄ぅくテーマが目移りしちゃってて主題が何のなのか分からなくなる。
せっかくなんだからアンドロイドちゃんの視点だけに焦点を絞れば良かったのにね。美しい自然描写や風の音など、退廃的な雰囲気だけは素敵。

持ち主がどんどん腐敗してミイラになっていくまでを見せてきたのは驚いた。ちょっとしたアハ体験💡R15はこれのせいか?
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