Aya

神様の思し召しのAyaのレビュー・感想・評価

神様の思し召し(2015年製作の映画)
3.5
2017年は本当にイタリア映画が元気でしたね!
今作も京都は松竹系シネコンで回していて、見たかったのに見逃しちゃったのですがとても不思議な話で面白かった!

※このレビューは「エミリー 悪夢のベビーシッター」のネタバレに触れているので気をつけて!(なにその映画w)

原題「Se Dio vuole」(神が望むなら)英語タイトル「God Willing」神の意志」日本語タイトル「神様の思し召し」ほぼ同じ。
日本語って難しいし、良いタイトルですよね・・・。

堅物医師のパパ、恵まれてるけどほっとかれてる感満載のドランカーのママ。
長女は感化されやすく、その旦那は不動産業を営むデリカシーはないけどイイ奴ですがパパがすっげえバカにしてる。
てかこのパパは誰に対しても態度が横柄で物言いも独善的。ママに対する態度はDVに近いし、職場の教え子にはもう完全なるパワハラ、セクハラのオンパレード。
悪い人じゃないんだけど、自分が正しいと思いすぎ。それ以外の考え方を完全否定。

この人同じく昨年公開された傑作「大人の事情」で唯一素晴らしい人間性を発揮したお父さんやないか!

そんな中、長男が「話があるんだ」とかしこまって家族を集める。
以前から親友のフリオとばかり遊んで女っ気のない息子の重大告白・・・と思ったら、なんと神父になると言い出し、びっくり仰天!
長男の通っているカトリック集会を偵察に行くと型破りな説教をかます怪しげな神父が・・・。

なんか「フリオ」ってLOVERに多い名前じゃないですかw?

優秀ではないが自分と同じ医者を目指していた長男がなんと神学校だとう?!
信仰心の微塵もないパパはゲイカミングアウトよりも驚き、神父がたぶらかしたんだ!と潜入捜査を始めるが・・・のとこ爆笑よねw

あのシーン特に奥さん役の役のハマりっぷり、日頃の鬱憤晴らしたるわ!っぷり超リアルにああいう家かと思えて爆笑だし、そしたら・・・こんなあっさりアリ?!と思ったけどもうほんと笑い止まらんw
しかしなんとここで話されていた内容が・・・うおおお!

この神父隠れかっこ良過ぎる!!
最初は私もその神父とは思えないチンピラおっさん行動がうさんくせえなあ、って思ってたから、パパと同じ疑ぐりの眼差しを浴びせてたんだけど、彼の真面目な行い、そして丘で語る彼にとっての神。

そんな神父と最初は脅されて色々手伝わされてたけど、交流を深めるにつれ、堅物パパが自分と考え方の違う他人を理解する、ということを学び、成長するというまさかの中年ビルドゥングスロマン・・・。

堅物パパは人が変わったように相手を重んじる接し方にいきなり変わるので、その唐突さに相手は唖然、というギャグ使いをしていますが、まあいきなり過ぎるよね。
もう少しゆっくりでもよかったかも。

しかし、あの歳のおじさんが成長するってすごく貴重。
それだけ男の友情、神父の魅力が強かった。
そして・・・あの電話、スマートでしたね。
だったら教会でのシーンは着信音が欲しいところ。

そして病院での彼ら・・・宗教という端的なものではなく、人望だと思います。

かなり、舞台っぽい台詞回しやカメラワークなど、違和感覚える画作りではあるのですが、物語とキャラクターの魅力で圧倒的にカバーできてる。
本当、期待してた以上に面白かったし、2017年イタリア映画熱い!という意味でも欠かせない一作でした。

今「エミリー 悪夢のベビーシッター」っての見ながら書いてるんですけど、この「神様の思し召し」にも出てきた、2016年によく見たあのアクションとまったく同じの出てきた・・・2本連続て!
これはもう正直飽き飽きしてるので、業界全体で頼んます!

Aya

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