ちゃんちゃん焼き

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのちゃんちゃん焼きのレビュー・感想・評価

3.9
編集者が主人公だったら、さぞかし地味な映画だろうな、と思った第一印象は少ならず間違いではなかったけれど、地味ながらも見どころが随所にあるいい映画だと思った。
トマス・ウルフのことを全然知らなくても、本当にこんな作家いそうだな、と思えたけれど、ジュード・ロウの演技は結構大げさというか大きな身振りで大声でまくしたてるような感じなので、好き嫌いがわかれるかもしれないが、パーキンズ役のコリン・ファースはさすがの演技だなと思った。知的さがにじみ出る落ち着いた演技と編集者という職業がマッチしていた。ずっと帽子を被ったままの愛嬌ある姿も好感が持てた。フィッツジェラルド好きには少々切なくなる場面もあって、アメリカ人はこれをどう思うのかな、と気になった(実際彼の生活は割と苦しかったみたいだけれど)。
個人的には何でもデジタルで処理してしまう今時の編集とは違った昔の編集がとても興味深かった。たまには大切なひとに手紙を書くのもいいかもしれない。