群青

ドント・ブリーズの群青のレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.8
2016年劇場鑑賞映画45作目。
字幕鑑賞。


クリスマスに最適な映画です!って書こうとしたら今日になった笑
なので年末に最適です!笑
なんならカップルや友達など、とにかく集団で観に行く方が良い。観終わった後みんなでああだこうだ言い合いたくなるから。

上映時間は88分なのに、自分には120分以上に感じましたよ、ええ。コレはそのくらいの濃さがあります。
だから出来れば予習はこのアプリのレビューや感想など見ずに予告編のみをオススメする。じゃあこのレビューも…ってなるけどそれは配慮するんで笑


とにかく、観ているこちらの予想を何度も裏切りつつ、あの手この手でハラハラさせてくるので全く退屈しない。怖がらせ方が一辺倒じゃないのだ。
誰かがTwitterで言っていたホームアローンレベル100というのが言い得て妙笑

やはり肝は盗みに入る家の主ですよね。おっさんの佇まいですでに怖い。
でも盲目なんです。盲目なんですけど怖いんです。しかしそれを感じず忍び込んじゃう強盗たち。いや、あのおっさんどう見てもヤバいから。なんで忍び込もうと思うんだよ、って突っ込みたくなる。


舞台のデトロイトはイット・フォローズでも描かれているが、無法地帯らしい。通報しても隣町からやってくるとかこないとか。
若者たちはお金欲しさで悪さをする。人によってはお金が必要な事情があったりする。だからと言って盗みをして良いわけではない。しかしそうせざるを得ない環境がデトロイトにはある。そういう社会背景がある。


また、この作品には悪行を働くことの本当の意味を考えさせてくれる。
盗みに入る強盗たちは小銭稼ぎで強盗を行う。それ自体が悪いことと思いつつも、正当化し、バレなければ心の中で反省します、と軽視している。
しかし本来、悪事というものは軽視出来ない。
その世界に足を運ぶことはすなわち想像を絶する世界に入ることなのだ。
しかも一旦入ってしまえば決してそこから戻ることはできない。神や正義は存在せず平等ということもない。
そこには何かしらの痛みという名の責任や因果応報のような縁が確かにあるのだ。
この、世界には実は不平等さが隠れているんだ、ということを強盗たちにもおっさんにも平等に背負わされている。この構図は面白いと思う。


しかしこんなことを考えなくても、家にいる盲目ジジイの攻撃をかわしながら脱出しよう!という設定の映画だと思えばいい。満腹に近いほど満足できる作品なことに変わりはないので、非常におすすめ。

今年のラストを飾る素晴らしい作品でした。
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