焦げすーも

レディ・プレイヤー1の焦げすーものレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.6
アキラのバイクやガンダム、キングコング、往年のレトロゲームなどが大量に登場してくるという予告で出し過ぎなのでは?本編尻すぼみになるのでは?という一抹の不安を軽く吹っ飛ばす出来。
もちろん本編の重要なテーマであるイースターエッグ(隠れキャラクター探し)はこの映画の魅力だ。

ただ、この映画の一番凄いところは途中まで”はいはい仮想現実。サマーウォーズなどの和製アニメでも散々観てきたやつ”と侮って観ていたら、途中からそんなことを考えていることができなくなるくらい「オアシス」の世界に入り込んだことだ。その瞬間は自分にとって主人公が現実世界の危機を自覚してオアシスから現実を変えなければという自覚をした時。このシンクロ感!!
劇中で現実世界に戻った時に、”あっ、この世界にも警察はちゃんといるんだ”と驚いたが、切り替えさせる装置としてうまく機能していると感心した。

ゲームに限らずポップカルチャー愛を感じさせるストーリー構成だったことも素敵だ。娯楽一般、特にゲームは「人間を堕落させる、人との繋がりを失わせて引きこもりを助長する」など散々な批判を受けることがある。そのような側面はあるが、娯楽製作者はプレイヤーに楽しみと繋がりを与えることを意図している。オアシスの製作者が確かめたかったことをゲームそのものに込めたという構図にグッときた。

劇中の城を巡る抗争はオンラインゲームっぽかったけれども、一番興奮したのは主人公のゲームプレイ生中継を全世界が固唾を飲んで見守るシーン。ガキの頃、ゲームのうまい友人のプレイ風景を見るのも楽しかったなあと懐かしく感じた。

敢えてケチをつけるとするといくらなんでもIOIの連中がプレイヤーを侮りすぎで、セキリュティがガバガバなのはなんとかならなかったのかとは思った。
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