焦げすーも

はちどりの焦げすーものレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.4
空白部分だらけの映画。主人公以外の心情描写がほぼなく、観客に想像させるスタンス。

自分自身の青年期を振り返ると、真の意味で他者と積極的に交わろうとしなかった気があるので、14歳の主人公の心の揺れがイマイチ共感できなかった。

印象的だったのは、漢文の先生(中谷美紀っぽい)が、立ち退き拒否闘争の垂れ幕を見て主人公に言った台詞。
「可哀想だと思ってはダメ。なぜなら私はその人たちについて何も知らないから(意訳)」
直後のシーンでは、他人に対して距離を取っているように見える先生が、敢えて主人公の心情を深く知ろうとする。
(本心が分かる人はほんのわずか。でも、私はあなたのことを知りたいと思っているのよ、という語りかけだったのだろう。)

韓国社会の学歴偏重は承知のとおりだが、食卓で兄貴が泣くエピソードは蛇足。親の期待に応えようとして苦しんでいるのは分かるが、暴力行為のエクスキューズのように思えて萎えた。
焦げすーも

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