焦げすーも

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語の焦げすーものレビュー・感想・評価

3.0
前半2章までのサスペンスと後半3章のファミリーヒストリーとの間にミスマッチを感じざるを得なかった。
もともとハートウォーミングな話を予想して、前半部での意外性に動揺した後だけに、純粋な朝ドラ的な展開に置いてけぼりにされてしまった。一捻りもないんかーい。前半2章で、「語り手の信頼性に疑いを向ける」という主題が提示されたことで、父親の話の真実性を疑いだすロジカルモードに脳内が切り替えられてしまったことが元凶だ。あとに続く、「人生は頼りない語り手」の方が本当の主題だと気付いたのは、もう物語の終わりかけだった。

結局、「人生は頼りない語り手」というテーマは最後には回収されているわけだが・・・ビフォアーサンライズシリーズなど、洋画でよくみる終わり方ではある。冒頭でデッドプールばりに観客に語りかける語り部の必要性は全く感じなかった。


もちろん、いい映画であることには違いない。悲劇的に家族を失った2人の子どもの部屋には、家族の思い出の写真や絵が飾られているシーンや、同じ人物が年月を経過して同じ愛する人に同一の行動をするシーンにはウルッとさせられた。
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