翼

レディ・プレイヤー1の翼のネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

こんなナードな映画をスピルバーグが惜しげなく作成して興行成績もそこそこでフィルマで4.0以上の評価って、オタクは市民権を得たよなと感じる。

面白かった。
ハリデーが70才くらい?で舞台が2045年、没後5年クリア無しだから、ハリデーは1970年生まれくらいかな。
ゲーマーだけじゃなく映画や音楽、コンピューター黎明期のポップカルチャーにどハマりしていた世代にとっては天国みたいな作品だ。

ガンダムが話題になりやすいけど、むしろBTTFでしょ!!と声を大にして言いたい。
デロリアンにゼメキスのキューブに、キューブ発動時にあの音楽よ。たまらん。

仮装現実でどれほどの栄光(3つの鍵)を得ようと現実で眉間に一発銃弾もらえば終わりだったり、現実で成敗しちゃったら刑務所行きで実質社会的抹殺だったり、「ゲームオーバーってなんだっけ?」と絶妙な気分にさせてくれるバランスが楽しめた。
仮装現実と現実の優先度の逆転など語るべきテーマはたくさんあるわけだけど、そこを全部目を瞑ってオタク好みの起承転結・勧善懲悪・ハッピーエンドでちゃんちゃんするあたりにスピルバーグの意志と本気を感じる。
「この映画はカルチャーエンターテイメントショーを貫くぜ、めんどい考察や解釈なんか知るか、そんなことより金田のバイクかっこよくね?」みたいな顔して撮影したのかな。愛が詰まるわけだ。

※2020.6.28追記
フィルマレビューを見るとすごく賛否が分かれる作品。ただ一つ言えるのは、劇場の没入感で観ながらエンドゲームみたいな情報量に溺れ、そこから生還して「早く友達に話したい!」という焦燥感を持ち帰るか否かで後味がまったく違う印象。
友達と一緒に改めて観るとストーリーはザルだしなろう的ご都合感は強いし大衆向けの演出も多目だったりとヘイトな要素は確かに強い。ただそれでも観終わった後に「あのシーンさぁ」って振り返ってあーだこーだ言える余地を残す、映画の醍醐味を存分に堪能できる。これがスピルバーグたる所以だよ、と痛感する。
翼