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レディ・プレイヤー1のkoheiのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
5.0

【ヲタクをナメるなよ!!】

スティーブン・スピルバーグがやってくれましたね。
今更ながら記録します。
時代背景は近未来、偉大なゲームクリエイターがゲーム世界で理想郷を作り出した。
主人公ウェイドは両親を早くに亡くし、叔母と叔母のヒモ男と一緒にどんよりとした日々を過ごす青年。先述したゲームクリエイター、ジェームズ・ハリデーが開発したオンラインゲーム『OASIS』は誰でも好きな姿になることができ、飲み食いや睡眠以外の事ならなんでも出来るまさに理想郷。
ウェイドは今日もそこで『パーシヴァル』という姿で現実逃避をしていた。
だが毎日のようにそこに通うのにはまた別の理由がある。

ジェームズ・ハリデーの死後、彼が残したメッセージが全世界のプレイヤーを震撼させたのだ。
『OASISを開発した我がグレガリアスゲーム社の株とOASISの所有権をゲームの勝者に譲ろう。業界でいう【イースターエッグ】を見つけ出した者にだ』
【ハリデーのイースターエッグ探し】が始まった。
しかしエッグを探しているのは一般プレイヤーだけではなかった……。

荒廃した現実とOASISのカラフルな世界の対比が上手くて、何よりも随所に散りばめられた小ネタがヲタク心をくすぐる本作。
公開時も気にはなってはいたけど、なかなかみれなかったのが悔やまれます!
ポップカルチャーネタが多いからその辺に疎い人は受け付けない印象を持たれそうだけど、チラッと出てくるアバターや小物を探すだけでも楽しくなります。
『元は知らないけどなんか知ってる!』みたいな絶妙なラインを攻めてくるあたりにスピルバーグの手腕を感じますね。
実際にプレイしたくなるOASISの世界はまさにヲタクが夢見るそれで、もし今現実にリリースされれば大変なことになるんじゃないでしょうか笑

原作の小説『ゲームウォーズ』でも日本のネタがたくさんあったようですが、映画でもその部分は大切にされていました。
日本人にはその点だけでもウケるんじゃないかな?メカゴジラ対ガンダムなんて日本国内でも再現できない夢の対戦ですよね笑

ただのヲタク向け映画だと思いきやそのメッセージ性はまさに現代を風刺してるようで、若干のネタバレになりそうですがあえて引用させてもらえば

『確かに現実は辛いし、苦しいし、いい事ばっかじゃないが、唯一現実の世界でしか……うまい飯は食えないってな。』

OASISを作ったハリデーの言葉だからこそ刺さるものがあります。

主人公はOASISを通して作者のハリデーの苦悩や後悔を知り、仲間と結託することの大切さや人を愛し愛される事の素晴らしさに気づいた。
オンラインゲームやSNSでいつでも誰とでも繋がれる現代、たまには画面から目を離してゆっくりと流れる【リアル】を感じる事が人生をより豊かにする秘訣かもしれません。

『だって現実こそが、本当の意味で【リアル】なんだ。』
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