カルダモン

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングルのカルダモンのレビュー・感想・評価

3.7
前作『ジュマンジ』ではサイコロに運命を託し、受動的に困難を越えていくボードゲームであったのに対し、今回は能動的に協力しないとクリアできないTVゲームが舞台に。

今回のプレイヤーは恐らく究極のVR体験ともいえるような世界に身を投じているのだろう。似ても似つかぬアバターの身を借り、借り物の体をうまく操れない精神はその感覚が伝わるようで、妙な感覚だった。ライフは3つ。つまり死ねるのは2回まで。この制約が物語に飛躍的な面白さを加えており、こういう見せ方があるかと感心した。逆に残念だったのはジャングルクルーズ色が強すぎて、ゲーム内であるという感覚が薄い点。もう少しゲームっぽさがあってもよかったかな。

とはいえ何より素晴らしいのはキャストの絶妙な顔ぶれ。ジャック・ブラックのオネエ芸。ドウェイン・ジョンソンのビビリ芸。中でもカレン・ギランのアクションは秀逸。これだけで大満足。

1作目を劇場で観た身としてはまさかの続編であり、また原作絵本を好んで読んでいた身としては、モノトーンのジュマンジに感じていたある種の雰囲気などは最早カケラもなかったが、なんだかここまでやられると清々しい。

「マジジュ卍!」
愛の溢れるチラシのコピーと、ドウェイン・ジョンソンの圧からもう既に映画が始まっている。太鼓の音が聞こえる。