しおえもんGoGo

マネーモンスターのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

マネーモンスター(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

富裕層がますます富み、貧困層はただ食い尽くされるというマネーゲームに支配された現代社会の不条理をベースにしたエンタメ作品。
ジョディ・フォスターが監督だったとは意外。ジョディってもっと硬派なイメージがあったので。

劇中の財テクショーはちょっと日本では考えられないものだけど、いかにもアメリカっぽい。効果音の入れ方、大仰な演出も含めて、けばけばしい色のキャンディの国っぽいな。ジョージ・クルーニー演じるゲイツの軽薄で胡散臭い雰囲気が良くて、あの冒頭のダンスのウザさは秀逸。
またジュリア・ロバーツのてきぱきと指示する姿もかっこ良いし、最後まで付き添ったカメラマンのあの何とも言えない雰囲気も良い。

一般庶民の私がカイルに同情しはじめてたところで、彼女にボロカスに罵倒され(またこの罵倒が実にボロカスで良い)、確かに自分の旦那やったら最悪やんとちょっと冷静になって笑ってしまった。

話としてはハラハラドキドキさせつつ、軽薄で嫌な奴だったゲイツが正義感から株価急落の真相に迫るという話で、よくできていたと思う。

カイルが射殺された時にそれまで喝采していた一般市民がサーっと引いた顔、その直後からはもうあっさり自分たちの貧しい日常に戻っていく、そして事件は娯楽として消費されていくというビターでドライなラストが良かった。結局世の中何も変わらないよね。

この後ゲイツのショーみたいなのはどうなるのかな。画面の端にずっと「個人の感想です。投資にはリスクがあります。自己責任で判断してください。当番組は一切責任を負いません」がテロップで出るようになるのかしら。
そしてゲイツも「多分、恐らく、だと思う、個人的には、かもしれない」を乱用するのかな。そんな番組誰も見ないわね。
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