2016年公開
原作は「少年チャンピオン」掲載
此元和津也 の少年漫画
監督は「まほろ駅前多田便利軒」の
大森立嗣監督。
大阪の男子高校生2人が放課後、河原で「ただだべるだけ」の連載漫画。
そのストーリー性の無い着想と、内容の無い会話が読者の心を掴み大ヒットした漫画の映画化。
私は原作の漫画を全巻持っているファンとして、この映画化のキャストに「????」と思っていた。
なんとなく、内海くんも瀬戸くんもイメージと違ったから…。
でも映画を観たら、台詞が一言一句違わず原作漫画通りで、映像まで漫画のコマ通りの映像なのに驚いた｡(背景の家の並びや、バイクが通り過ぎる効果音のタイミングまで)
関西の箕面出身の菅田将暉が芸人ばりの関西弁で演じていたのは、私のイメージと違っても、スタイルとして確率されたキャラクターになっていて良かった。
菅田将暉はどこか繊細さを滲ませる俳優さんだが、みーにゃんが死んでしまった話の時はそのきめ細かい演技で、原作漫画より良かったので、危うく泣きそうになった。
池松壮亮の内海は想像よりかなりオタクっぽいガリ勉で(そこまで暗いキャラだったかな…?)と思う見た目だったけど、瀬戸に対しての静かで的確なツッコミが池松壮亮の低い静かな声で語られるとストーリーに引き込まれた｡
結局、どうなのこの2人?と思って観たキャステイングがハマっていて、サザエさんみたいに毎週ずっと見たくなる映画に仕上がっていた｡
大森立嗣監督は、瑛太と松田龍平主演の「まほろ駅前多田便利軒」の監督だが、この作品も原作は漫画(山田ユギ先生のBL漫画)、2人の男がゆる〜く、だる〜く便利屋をするストーリー｡
そおいうむさくるしいゆる〜い流れを、原作の空気感を完璧に3次元に再現する事がひじょうに上手い監督だと思う｡
ヒロインの「樫村さん」クラスに1人いるちょっとカワイイ女子が、突然中条あやみになっていて、ちょっとカワイイレベルじゃないやん！
めっちゃカワイイレベルやん!
中条あやみを相手にしない男子なんていないでしょ!?と、そこの所はツッコミたくなったけど、中条あやみを無視する程、内海が瀬戸と仲良かったという見方をすると、男子の友情(男友達といる方が楽しい)が伝わってきて良かった｡
映画は全8巻の漫画の抜粋ストーリーだったが、元からストーリー性の無い原作だったので、原作のある映画化にありがちの「あの話が入ってない！」「あのキャラが出てこなかった！」という反感も特に無かった｡
逆にみーにゃんの話が全部入っていて、好感度が上がる作りだった(笑)
漫画と同じで、なんでもない時にまた何度でも見たくなる映画｡
映画を観たら原作漫画を読みたくなった。きっと漫画を読んだら、今度はまた映画を観たくなると思う…無限ループ∞
