NONAME

ベイビー・ドライバーのNONAMEのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.0
何も変わらない日常を踊らせる 『ボニー&クライド』+『バニシング・ポイント』型ブラン・ニュー・ムービー炸裂‼︎‼︎
「バイバイ・ベイビー!」 毎日がサヨナラ。そして 辿り着いたら いつも雨降り。
「ヘイ・ベイビー! 俺は今を愛してる!」 高速でブッ飛び続ける「今」に繋がれた ロードムービー・プリズナーの孤独は続く。ますます その強度を研ぎ澄ますエドガー・ライト。『ベイビー・ドライバー』は2017年唯一のデット・エンドムービーだ。

エドガー・ライト最高!ロックンロール最高‼︎ もはやクリシェでしかないと思っている輩もいるだろうから 敢えて何度でも何度でも言ってやる。エドガー・ライト最高!『ベイビー・ドライバー』最高‼︎ いや 実際の話 エドガー・ライトの存在というのが いかに貴重で 破格だという事実に 本当に皆 気づいているのだろうか? 世界中見渡しても こんな映画監督は本当にいないんだぜ? 映画とロックンロール・ミュージックのことを何も知らないTUTAYAのレンタルコーナーでウロウロしてる奴らが言ってるのとは わけが違うんだ 俺が言ってるのは。つい最近 マシュー・ヴォーンやデヴィッド・リーチが登場するまで このエドガー・ライトにしかスプラスティック・アクションはできなかったと言っても構わない。それ きちんと映画歴史の教科書に書いといた方がいいと思う。聞いてるか “松本”? “庵野”?

そう どこか全体的にポスト・アポカリプス風モードが強かった『ワールズ・エンド』のロジカルな発展形として 最新作『ベイビー・ドライバー』では『スカーフェイス』とまでは言わずとも どこか『ヒート』や『カリートの道』のアル・パチーノの93〜96年頃の持つフィーリングを感じさせるシーンが格段に増えた。初期のジャストなゾンビから 未だ着実な深化を見せるエドガー・ライト。今作は 明らかに そうしたエドガー監督の新たな深化を告げるのに十分な内容だ。そう あのラストと言ったら!その素晴らしさを端的に証明していたのは ニューシネマ的な終わり方が これまでのエドガー監督一辺倒な感じとは 確かに違っていたという点だ。そう 『タクシードライバー』でトラヴィスが好き勝手に暴れまくる あの感じ。それが『ベイビー・ドライバー』の大半のシーンで巻き起こる。映画館ですべての観客が一丸になるのではなく 好き勝手に騒ぐ 映画の祝祭空間。大勢の人間がひとつの映画を見る姿で 俺的な理想は70〜80年代のグラインドハウスなのだが 今 メジャー映画監督でこれをやれるのは エドガー・ライトとロブ・ゾンビぐらいのものだろう。それがどれだけ凄いことか覚えていた方がいい。
『ベイビー・ドライバー』があれば もう『アメリカン・グラフィティ』とかいらないじゃんか。おら 聞いてるか 世界? バイバイ 世界!
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