ぬーたん

ベイビー・ドライバーのぬーたんのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
3.4
高評価なんで期待し過ぎたかな?
中盤あたりから減速した感があり、あまりハマれなかった。
犯罪組織の運び屋、凄腕の天才ドライバー、ベイビーが主役。
オープニングからテンポが良く引き込まれる。
赤いスバル車からスタートするのも嬉しい。
撮影後にベイビー役のアンセル君が貰ったらしく、自分の初めての車はこのスバルだよって言っていた。
アンセル・エルゴートは現在24歳。
初主役なのにアクションも演技も良かった。
イケメンというわけではなく、ごく普通の青年という感じ。
『レディ・プレイヤー1』のタイ・シュリダン君と似た感じだ。
彼女役をリリー・ジェームズ。
『ダウントン・アビー』のわがまま娘、ローズちゃん。
可愛いけど、ローズの印象が強くてローズにしか見えない。
強盗チームに指示を出す組織のボスをケヴィン・スペーシー。
しばらくは、この方の演技も見納めかと思うと残念な、存在感ある悪役ピッタリの俳優だ。
今作は悪に徹するという感じではなく、結構人間味のある役。
チームのメンバー、バディをジョン・ハム。
どこで見たんだっけ?と思ったら『ミリオンダラー・アーム』の主役。
今回は真逆の役で、雰囲気も全く違っている。
かっこいいし、渋い。
同じくメンバーの女性でバディの恋人をエイザ・ゴンザレス。
この2人、警官との銃撃はボニーとクライドのようだ。
同じくメンバーのバッツをジェイミー・フォックス。
血気盛んな凶暴な男。このバッツが問題を引き起こす。
ジェイミーは『アニー』以来、久々に見た気がする。
コメディアンとしての才能もあるし、どんな役もこなす。
もう50歳、とても見えない。若々しい。
ベイビーの親でもおかしくないような結構の年齢のこの俳優たちがアクションも頑張っている。
見どころはたくさん。
まずは勿論、カーアクション。
車体が斜めになるし、見ているだけで酔っちゃいそう。
ベイビーが聞く音楽。
この選曲がちょっと古くて、懐かしい曲が入っている。
特別な音楽は何だ?とバディに聞かれたベイビーが『ブライトン・ロック』と答えた時には、鳥肌ものよ。
だって、リアルタイムでQUEENの大ファンだったから。
(あら、年がバレちゃうわ💦)
周りが新御三家に夢中だった(秀樹さんのご冥福をお祈りします)頃に、QUEENに夢中だった。
自慢はフレディーと握手したこと(どうでもいい情報笑)
この『ブライトン・ロック』はブライアンの作曲で、ギター演奏が5分以上も続く。ここから『キラー・クイーン』に流れていく、サードアルバム『シアー・ハート・アタック』の素晴らしいこと!グレイテストヒットアルバムでは味わえない、ストーリー性を楽しめるアルバムで、その1発目がこの曲。あ、どうでもいい話でした、失礼。
この曲がとても重要なシーンで流れるのは嬉しいけど、まさか血の流れるシーンで聴くとは!💦
この作品は音楽が命。
そして、ベイビーが踊ったり、衣装が其々の個性を表していたり、と細部に凝っている。
バッツの赤なんて最高だよね。

その分、キャラクター作りや、ストーリーが薄めで、後半に行くに従って、入り込めなくなってくる。
『トランスポーター』を思い起こす設定だが、トランスのハゲちゃんも決めたルールを自分ですぐに破っちゃって大暴れしてたけど、こちらもドライバーに徹しているのは最初だけで、正義感や情で首を突っ込んで危険な状況に入っていく。
ハゲちゃんと違って、強くもないベイビーがなかなか残酷な男になる辺りや、彼女がここまで付いてくる理由が良く分からん。
あと、ベイビーの里親。
ベイビーにとって大事な人だけど、背景がわからないので、説明が欲しかったかも。
とにかく、やり過ぎてしまった感じで、いかにもアメリカ作品らしい。
終わって気が付いたのは、この主役2人があまり好きになれなかったということ。
共感するには情報がなさすぎた。

この2人はボニーとクライドではなかったなあ。
ラストはもう続編ありき。
ぬーたん

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