このレビューはネタバレを含みます
なんだかジワッと泣けてしまった。
いつも思うがままになんてならなくて…
見えない檻の中で、藻搔いてる気分。
目を閉じてる間、瞼の外側がどうなってるか…
私には知る由もない。
そんな時もあったから。
どうってことない何かに苦しんで…
どうってことない何かで救われて…
幸せになりたくて…
幸せになれなくて…
でも実は案外…
幸せだったりする。
後にならないと気付けなかったりして…
私の心はいつも節穴だ。
『愛情』と『注意を払うこと』
それは故郷の風景に似てる。
どうってことない『いつもの風景』
鮮烈さなんて、とうに無くなってたはずなのに…
遠い情景は、こんなにも鮮烈で愛おしい。
日常が立ち塞いでも…
どんな暗闇に迷い込んでも…
心が帰る場所は必ず、自分の中にある。
檻から飛び立てない小鳥が、自分を認めて飛び立っていく…そんな爽やかなラスト。
情緒的で優しい風合いが心地よい良作。