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犬に名前をつける日のHKのレビュー・感想・評価

犬に名前をつける日(2015年製作の映画)
3.5
飼い主に捨てられ、日本で年間12万匹も殺処分される犬猫たちの現状と、その犬猫たちを1匹でも多く救おうと活動している人たちを描いた映画ですが、ドキュメンタリーとドラマをくっつけたちょっと変わった作品。

ドキュメンタリー部分は実際の保護団体の人たちのリアル映像ですが、それを取材して映画にしようとする小林聡美演じるTVディレクターのドラマ部分がくっついてます。
下手すると作品全体を台無しにしかねないフィクション部分を、小林聡美が自然体で演じているのでかろうじてセーフといったところでしょうか。
それでもやはり、このドラマ仕立ての部分ははたして必要なのか疑問。

しかし、ドキュメンタリー部分は充分観るべき価値があります。
災害時の避難所にペットを連れて行くのは基本NGというのは知っていましたが、心無いブリーダーが金儲けのために親子や兄弟まで何世代にもわたり掛け合わせた結果、障害のある犬が生まれ、売り物にならないため大量に捨てたり、東日本大震災時には現地から2k圏内にいる犬猫にはお上から殺処分命令が出ていたりと、初めて聞く話もありました。

保護団体の人たちは、保護犬のための新しい飼い主を探しますが、二度と犬たちが捨てられないよう、安易に欲しがる人には渡しません。
飼い主が高齢であれば犬を最期まで看取る責任が果たせるかどうかもチェックされます。
犬猫と一緒に暮らせる老人ホームもあるそうですが、非常に少ないとか。

保護犬には名前がありません。
タイトルの『犬に名前をつける日』とは、保護犬に新しい名前をつけ、自分の家族の一員として迎える日のこと。
私もいつか犬や猫と暮らすのが夢ですが、私にもそういう日を迎える資格があると信じたいものです。
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