仮面舞踏会で出会ったオーロラに、裕福な青年セバスチャンは惹かれ、ダンスを踊る。
セバスチャンはオーロラに仮面を取るように頼んだが、時計が12時を回り、オーロラはそのまま去って行ってしまった。
もう一度彼女に会いたいと願った彼は、残された靴を頼りに彼女を探すが手掛かりは得られず、婚約者との結婚を決めてしまう。
永遠のラブ・ストーリー『シンデレラ』の、もうひとつの物語…の後編。
近現代風にアレンジしていますが、その人間関係をビジネス社会を対面に描きながら、真の愛とは何かをリアルに描いた名作と言えます。
特に後になるほどひきこまれます。
ホント、面白かった。
原作のシンデレラを知っているだけに、「これそうかな?」とか思いながら楽しむことができました。
継母がファンドを使いこんだり、オーディション招待状を破ったり、隣に行かせないようにしたりと色々邪魔をするのが憎たらしい。
半面料理人とお手伝いの人の恋も絡んで、ほのぼのとした家族的雰囲気もある物語になっている。
午前0時に戻らなければならない理由は、無理やりで笑えましたが。
そして10億円かけただけのことはあり、衣裳が美しいし、ロケでローマの名所を巡っていて、旅行気分も楽しめる。
オーロラがピアニスト志望という部分が本来の『シンデレラ』とは違った部分。
継母にピアノを取り上げられ練習もあまり出来ていないのに、試験、コンサートでは完璧な演奏・・と言うちょっとしたツッコミはあるが、歴代シンデレラとは一線を画したドラマだった。
それに、ヒロインは不幸な境遇に泣いてばかりではなくて、自分の力で道を切り開こうとするポジティブな女性。
そんな彼女なら「魔法」に頼る必要ないね。
しかし王子役は意思の弱さが垣間見え、オーロラを真剣に探そうとする姿勢にも欠け、他の女性との政略結婚も受け入れようとしてしまうのは、「王子」としてはどうなのかなぁ……。
しかも、あの婚約者の設定必要だったのだろうか?
かわいそう過ぎる。
しかし、長編ですが筋が明快なのでわかりやすく、そして『シンデレラ』を応援しようとする者には、満足のいく展開となります。
前編、後編どちらも見逃せません。
最後はすっきりスカッとします。
これこそ、ファンタジーじゃないラブストーリーの王道シンデレラ物語である。