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シンデレラ 後編のノッチのレビュー・感想・評価

シンデレラ 後編(2011年製作の映画)
4.0
仮面舞踏会で出会ったオーロラに、裕福な青年セバスチャンは惹かれ、ダンスを踊る。 

セバスチャンはオーロラに仮面を取るように頼んだが、時計が12時を回り、オーロラはそのまま去って行ってしまった。 

もう一度彼女に会いたいと願った彼は、残された靴を頼りに彼女を探すが手掛かりは得られず、婚約者との結婚を決めてしまう。 

永遠のラブ・ストーリー『シンデレラ』の、もうひとつの物語…の後編。 

近現代風にアレンジしていますが、その人間関係をビジネス社会を対面に描きながら、真の愛とは何かをリアルに描いた名作と言えます。

特に後になるほどひきこまれます。

ホント、面白かった。

原作のシンデレラを知っているだけに、「これそうかな?」とか思いながら楽しむことができました。

継母がファンドを使いこんだり、オーディション招待状を破ったり、隣に行かせないようにしたりと色々邪魔をするのが憎たらしい。

半面料理人とお手伝いの人の恋も絡んで、ほのぼのとした家族的雰囲気もある物語になっている。

午前0時に戻らなければならない理由は、無理やりで笑えましたが。

そして10億円かけただけのことはあり、衣裳が美しいし、ロケでローマの名所を巡っていて、旅行気分も楽しめる。

オーロラがピアニスト志望という部分が本来の『シンデレラ』とは違った部分。

継母にピアノを取り上げられ練習もあまり出来ていないのに、試験、コンサートでは完璧な演奏・・と言うちょっとしたツッコミはあるが、歴代シンデレラとは一線を画したドラマだった。

それに、ヒロインは不幸な境遇に泣いてばかりではなくて、自分の力で道を切り開こうとするポジティブな女性。

そんな彼女なら「魔法」に頼る必要ないね。

しかし王子役は意思の弱さが垣間見え、オーロラを真剣に探そうとする姿勢にも欠け、他の女性との政略結婚も受け入れようとしてしまうのは、「王子」としてはどうなのかなぁ……。

しかも、あの婚約者の設定必要だったのだろうか?

かわいそう過ぎる。

しかし、長編ですが筋が明快なのでわかりやすく、そして『シンデレラ』を応援しようとする者には、満足のいく展開となります。

前編、後編どちらも見逃せません。

最後はすっきりスカッとします。

これこそ、ファンタジーじゃないラブストーリーの王道シンデレラ物語である。
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