しゅんかみ

ニューヨーク 眺めのいい部屋売りますのしゅんかみのレビュー・感想・評価

4.1
なんとなく渋めな大人向け映画なイメージで、特に観に行くつもりもなかった映画なんだけど、彼女氏が気になっているというので同行したのですが、これがなかなか楽しめました。サブリミナルノロケすいません。
 もちろんたくさん人生経験を経た人の方が感じるところは多いだろうけど、意外に子どもから大人まで楽しめる映画だったと思う。

 お話はモーガン・フリーマンとダイアン・キートンの夫婦が40年住み続けたブルックリンの5階の部屋を売りに出すところから始まる。
 住み慣れた部屋をなぜ手放そうとしてるかというと、夫婦ともに高齢にも関わらずこの家にはエレベーターが無かったから。
 飼い犬のドロシーも若くなく、散歩から帰ってきてこの階段を登るたびにクンクン鳴いているという状態。

 売り出すために家の内覧会を開くんだけど、これがなかなか日本人には馴染みのなさそうなシチュエーションで面白い。
 買う気がないのに家を見に来て書いている小説の参考にしようとしている人や、家を見に来たのにテレビに夢中になってる人とか、本当に色んな人が来るので、ちょっと偏屈なジジイと化しているモーガン・フリーマンがそれに振り回されたりしている姿だけでも笑える。

 この話と並行して、ブルックリンからマンハッタンに向かう橋で起きた事件の犯人が逃走をしているということと、飼い犬ドロシーがヘルニアになってしまった、というのが描かれてるのもドタバタ感に拍車をかけているのもなんか可笑しい。

 果たして夫婦は家を誰に売るのか?新居は?ドロシーは?事件の犯人は?というのも気になるので、物語の推進力も強くて、全く飽きずに見られた。

 夫婦が最終的に家をどうするか、という部分は、ところどころで挟まれる彼らの過去の回想を考えればなんとなく想像はついてくるところのんだけど、彼らの人生と、家の階段を自分で登る、というところが重ね合わされているのがなかなか良かった。

 彼らのドタバタと橋の事件との関係がもうちょっとバシッと決まってればもっと好きだったかなーとは思うけど、総じて楽しい映画でした。