GUMI

99分,世界美味めぐりのGUMIのレビュー・感想・評価

99分,世界美味めぐり(2014年製作の映画)
2.3
本当の趣味?自己顕示の道具?

自分はどうしても日本食贔屓だから…
もしグローバルに影響力のある日本人美食ブロガーが現れたら、ここに出てくるブロガーみんな木っ端微塵なんじゃないだろうか。



世界の見目麗しい美食に食欲をそそられ、食を通して世界を知るドキュメンタリー···かと思いきや中身はミシュランガイド掲載店をめぐる美食ブロガーについてのお話。
飯テロ映画じゃなかった。


金持ちの家に生まれ元手に困らない美食家
食をアートとして批評する美食家
美食につぎ込むために働くヲタク気質な美食家
一般家庭に育ちモデルとして活躍する美食家

映画も似たようなもので、食も一定水準で語れないからいろんなタイプの切り口の美食家がいるよう。



「美食のために旅行へ行くことの何が悪いの?」
「美食のためにお金をつぎ込んで何が悪いの?」
バーバパパ並に短い手で身振り手振り反論する太ったオッチャン、ちゃうねん、論点そこちゃうねん。

自分も食べ物目当てに旅行するし。それに、映画に置き換えたらより共感できるよ。良い設備で観るために遠出したりするもんね。

彼らのブログのことは知らないし読む機会を作る手間も割こうと思えないけど、批判してくる人はアナタ達が高級料理を食べまくってることじゃなくて食を踏み台にして自己顕示欲を満たしてるその姿勢が気に入らないんだと思うよ。
あと、食べる時はクチャクチャしないで。



とにかく食への価値観が根本的に違いすぎる。
美食ブロガーのスタンスに対してもそうだが、作り手も。
料理名:セックス·オン·ザ·ビーチは「食べ物で遊ぶな」と教わってきた私たちのような人にとってはただの冒涜。
なんであんなに素材を弄くり回す料理ばかりなの…ほぼ工作。
誰か、あの料理人たちに調理と工作の違いを教えてあげてほしい。



ここに出てくる美食家たちの自己表現がドギツかったのと、海の向こうの料理は温度感が感じられない、かつ 味の想像がつかない料理ばかりだったお蔭で食欲は全くそそられなかった。
食べた後で確かに「美味しい」とは言ってるんだけど、口に含んでる時の表情があまりにもリアクションがないから余計に。
恍惚の表情で「美味しい」などとリアクションするのは日本人だけなのか?

ドキュメンタリーとしてもイマイチ何が言いたいのか、彼らをどういう視点で撮りたいのかを感じられる材料が少なかった。
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