とむ

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のとむのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

Filmarks試写会にて鑑賞。


グザヴィエ・ドランっていう監督はとことん「家族というしがらみ」を描くのに長けてるというか、
ドランの映画で家族が争ってるととにかく最悪の気分になる。
(もちろん映画的には良い意味で)

でも結局「それが家族(親子)ってもんやで」って着地になるのは第一回監督作の「マイ・マザー」から一貫してるんですよね。
画作りとかよりも何よりも、そういうテーマの一致にこそ作家性を感じました。


ただ、個人的ドランの最高傑作「Mommy」は越えられず。
でも楽しめない訳ではなく。
くらいの微妙な立ち位置の作品でした。
十八番の画角を使った心情表現的な描写もなかったし、ちょっと物足りなかったかなーという印象でした。
なんか全体的にストレートな表現が多かったんですよね。


驚いたのが、
物語の終盤に差し掛かった辺りで、
ルパートと母親が互いの愛情を認識して抱擁するシーンをびっくりするくらいストレートな感動シーンとして描いてて、
ドランがこういう表現するの珍しくない?って逆に虚を突かれた感じがしました。
流れてるBGMも「Stand By Me(そばに居て)」だし。いやベタか!笑


ラストに関しても、
彼が全ての物事に対して絶望した訳ではなく、ただ単に「ちょっとしたミス」のせいでああなってしまったっていうのが示唆されているから、
思いの外爽やかな幕引きになっている印象でした。
悪いっていう意味ではないんですけどね。
「Mommy」もそうなんだけど、
彼等にとってどんなに最悪の状況に陥っても少しの希望を残してくれるっていうラストが癖になりますよね。


タイトルの出方もベタだったなー。
でもこのベタは好き。笑
とむ

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