るる

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のるるのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

怒ってるのかドラン、家族との仲が進展したのかドラン、ああ、そうか、自分より下の、若い世代のために作品をつくるようになったんだな、ドラン、若い世代のセクマイのために、業界の慣習を変えていく、そういう姿を見せていくんだな、ドラン、という感動に震えた。

凡庸でもいいと思った。集大成、新たなスタート、という感じがしたので、良かった。

『わたしはロランス』で、記者から何を望むのかと尋ねられて発された、「私の言葉を理解し、同じ言葉を話すひとと出会いたい」という意味の台詞、あれにほんとうにしびれたので、今回…そうかあ、たくさん、たくさん、出会えたんだねえ、良かったねえ、と。なんなら彼が紡ぐ言葉に影響されて、彼が使う言葉を発するようになったひとがたくさんいると思う、すごいことだと思う。

ドラン作品はサントラのために見てるフシがあるので、アデルがかかった瞬間、バンザイしたかった。応援上映だったら足踏み鳴らしてたと思う。最高だった。

それにしても、いくらなんでもちょっとポップすぎる選曲だと感じたけどな。作風がポップに寄ると選曲もポップになるのか、チープ感が良かった部分もあるけど、どうなんだろうな、もうちょっとズラシたほうが良かった気もする。

母と息子の再会シーン、サントラには苦笑。

母と息子、兄弟、過去作品を連想させつつ、あの、風呂場のシーン、サントラ、めちゃくちゃ良かった。

最後、彼を迎えに来た彼氏、イケメンすぎない? のけぞるような美青年だったので本当に笑っちゃった。いまは幸せであること、ゲイであろうと幸せになれることを見せつけるための描写だったと思う、なんなら、ゲイ男性に幻想を抱き好意的に見る女たち、ファグ・ハグ的な女性たちを突き放すような描写でもあったと思うので、本当に笑っちゃった。

次作も楽しみ。
るる

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