てつこてつ

ノー・エスケープ 自由への国境のてつこてつのレビュー・感想・評価

3.4
「ゼロ・グラビティ」「ROMA/ローマ」のアルフォンソ・キュアロンが製作を手掛け、ご子息のホナス・キュアロンが監督、主演がガエル・ガルシア・ベルナルだったので気になって・・。

単純明快なストーリー、90分以内の上映時間なので非常に見やすい。ニュー等等でメキシコから徒歩でアメリカに違法入国する人々が多いとは聞いていたので、これまでこのテーマの作品が無かったのが逆に不思議。

十人十色の事情を抱え厳しい砂漠地帯を抜けてアメリカに徒歩で渡ろうとする一つのグループ。すると、突如、ライフルで狙い撃ちする者が現れ・・。

やはり、サスペンス物の肝であるテンポがいい。狙撃者から身を隠しづらい広大な砂漠、切り立つ岩壁、ガラガラ蛇・・と、およそこのロケーションなら登場するだろうなと思われる危機が次から次へと登場キャラたちに襲いかかる。でも、日中は摂氏50度にも達する砂漠地帯の灼熱の暑さが描かれていないなと思いきや、なるほど、あそこでその脅威を暗示する演出は上手い。

地図や携帯なども持たずにあてども無く逃げ回る主人公がよく方角が分かるもんだなと思っていたけど、何も遮るものがない砂漠地帯なので、太陽の動きを見ていれば東西南北は確かに分かるなと納得。

登場するキャラクターたちが分かりやすいのもいい。ガエル・ガルシア・ベルナルファンの方ならもちろん、単純にサスペンス物が好きという方にも無難にお勧めできるかな。
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