ケンタロー

キングコング:髑髏島の巨神のケンタローのレビュー・感想・評価

4.5
ウソ…!? ちょっと…大っきすぎるって‼
やだ!そんなッ…無理無理無理無理ーーーッ!
ってな具合に、のっけから怒涛のコング責めにあいます…。
そう!まさに出会って15分で即コング!強制コングイラマ・ムービー!

とにかく出てくるヤツら、何からナニまで全部デカいのです!

己の矮小さに登場人物も観客も愕然とするのです!
あんなんには敵わないと…。

しかし、そんな中、奮闘する漢が一人…。

そう、戦場に魅入られ、戦うことでしか己の存在意義を見出せなくなった男、パッカード大佐こと、我らがサミュエル・L・ジャクソン!

パルプ・フィクションのジュールスのごとく、声高らかに、コングへの復讐をまくしたてる姿は狂気そのもの!

コング!
サミュエル!
コング!!
サミュエル!!
コング!!!
コング!? じゃないッ! サミュエルッ!?

両者の対決シーン、暗闇に浮かぶド迫力の顔面アップの連続カットは
もはや、コングとサミュエルの対比では無く、闘争本能ムキ出しの雄の姿として、同化して見えると言っても過言ではない!!

コング顔のサミュエルでなければ成し得ない快挙!(誉めてます!)
CGに頼らず、天然コングをキャスティングする確信犯ぶりには恐れ入るのです!(誉めてるんです!)

※サミュエル起用は、当初起用予定であった、J・K・シモンズの降板によるものらしいけど、これは功を奏したと言えるのです!

ジョーダン監督曰く「自分が子ども時代に触れてきた文化を、ゲロを吐くみたいに全部ぶち込んである」と語るように、オマージュゲロの雨あられ!

でも、それが自己満とか、くどいとかって感じはないのです!

いや、まるでナパーム弾のように息つく暇なく投下されるもんだから、
正直、そんなこと考えたり感じる間もないってのが正直なとこだろーか…笑

人類未開の地の存在の説得力、疲弊したアメリカの姿、設定した時代背景の上手さが光るし、人間ドラマとのバランスの取り方など、観客が見たいと思うものを思う存分、出し惜しみなく見せてくれる、痛快エンタメ作品として文句なしの出来!

唯一懸念材料なのは、今後続いていくレジェンダリーのモンスター・バースの世界において、一発屋にはなってほしくないってこと。

これから先の物語は、モンスター同士の戦い以外の、人間ドラマ部分のつくりが明暗を分けるかなと…。

しかし、本作キングコング髑髏島の巨神は、単作として考えれば素晴らしい!!
あぁ…コングと対峙する次なるコング俳優はいったい誰なのか!
(トムヒにまったく触れずレビューを終わる…)