ケンタロー

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのケンタローのレビュー・感想・評価

4.0
前作に続きSONYらしさ溢れる革新性に富んだ作品。ヒーロー映画全盛の時代に対する一つの問題提起とSSU(SONY's Spiderman Universe)ならではの攻めた決意表明✋

スパイダーマンをスパイダーマンたらしめているモノやコトとはなんなのか?をメタ的にとことん突き詰めた上で、そもそもヒーローとはなんなのかを再定義し、再構築していく…今どきっぽく言うところのシン・スパイダーマン😂

こんなメタメタな荒技に果敢に挑んでいくスピリットに思わず拍手👏原作愛やリスペクトが無いとか、肌の色や人種が違うから認めないなどと揉めている某作品のだいぶ先を行ってるのが本作であり、ベースとなっているマーベルコミックの先進性に改めて感心した。

そんな荒技でウルトラCを決めることが出来ているのは確固たるアニメーション技術と表現力があるからこそ!情報量ハンパないハチャメチャな映像表現と、とにかくエモい音楽がしっかりと支えている。

前作、スパイダーハムやペニー・パーカーといったキャラクター描写にも驚かされたが、本作ではキャラクターだけでなく、そのキャラが存在する世界ごとに作風や色調を変えており、まるで複数のコミック作家が合作しているかのような面白さがある。特にグウェンの世界は淡い色使いとタッチ、空間のつくり方が美しい。心理描写を色彩で表すなど、もはやアートの域に達している✨

見終えて、ふと思ったのがマイルスと大谷翔平に見る革新者としてのヒーロー像

どちらかを選ぶんじゃない、どちらも選ぶんだ!そんな既成概念や固定観念を打ち破るマイルスと大谷翔平に共通する信念の強さこそが彼らをヒーローの中のヒーローたらしめている。

常識・セオリー・価値観を覆し意識改革を起こさせるゲーム・チェンジャーたるヒーロー(時にヴィラン)ってのは、実際の歴史の中に度々現れるけど、彼らも間違いなく時代が求める革新的ヒーローだ。

マイルスや大谷翔平らが見せてくれる新しい景色に観客は感動し勇気を貰う。マイルスはグウェンや他のスパイディーたちを、大谷翔平は他のMLB選手やファン、子供たちを感化していく…。

この作品や彼らの活躍を見たあとならば、常識や枠組みに囚われない自由で柔軟な発想が芽生え、夢や希望を諦めることの無い強い意志を持つことの大切さを理解することが出来るだろう。
マイルス風に言えば『羽根を伸ばしちゃえ!』って感じだ✨

とにもかくにも後編ビヨンドを見なければ物語は決着しないので、来年の公開が楽しみで待ち遠しい😍

あ、その前にもう一度吹替も観に行きたい♪

1st IMAXレーザー 字幕 17JUN23