みかん

ガタカのみかんのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.5
イーサン・ホーク若い!
ジュード・ロウも若い!!

自然に生まれ身体が弱い子供は不適正者で、遺伝子操作され能力に恵まれた子供は適正者。
そんな、遺伝子で優劣をつける世界。
世も末。

あらかじめわかっている病気とかの有害な要素を排除するのは理解できるけど、個性までも選んで両親の理想を子供に投影するのは、夢のない話だなぁ。
遺伝子操作しようと、完璧な人間なんていない。
恵まれた力を過信して 、人の尊厳を踏みにじるような人たちは、果たして人間的と言えるのか?

こんな世界に生きたいと思えない。
嘘はたくさん!と嘆くアイリーンに、嘘をつかせる世界に息苦しく生きるしかないビンセントがほんと悲しい。
この理不尽な世界観のせいで、あまり楽しくは見れなかったかな。

適正な世界に適合するように。
ビンセントは、適正者であるが事故で下半身が不自由な"ジェローム"と契約し、彼に成り代わり夢にみた宇宙への旅立ちを目指す。
適正者であるのに不自由なジェロームと、不適正者と言われながらも努力しガタカに入れたビンセント、そんな二人の共犯関係が徐々に友情になっていく。
やっぱり、人はどんな生まれであっても、個性があって、生きた道がその人を形作るものだから、努力して得た力や功績は本物だし、お互いに感謝し夢をもらったと言い合える二人はどちらももとても魅力的だった。
適正者と不適正者と呼ばれる二人が心通じ合わすことができて互いに尊重しあえるんだから、こんな未来のない世界は否定できるってことだよね。
ビンセントが自分を信じて夢を叶えるラストも、こんな世界へのアンチテーゼになっていてとても良かったです!

どう生きるのか、命を何に使うか明確に出来る者は、自分の人生を支配できるんだなって思いました。
みかん

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