アタフ

ゴジラvsコングのアタフのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
3.9
怪獣映画を見るにあたり我々は何を目的に見に行くのだろうか?それは無論怪獣同士の殴り合いである。
私としてはその怪獣同士の殴り合いがデカいスクリーンで見ることが出来たならそれで大満足だし、ストーリーが多少酷くてもでも絶賛してしまうほどちょろい人間なのです。
ただ、その多少酷いの"多少"の部分が結構重要で、言い換えれば「最低限怪獣同士が戦うことに対する動機」と「どちらかの怪獣を応援できるか」
それを納得できるような話運びをしてもらえれば、あとは酷くてもいいという意味です。そして、今回この『ゴジラvsコング』はその部分に関してどうかというと… う~んギリギリ合格!

ゴジラとコングがもともと太古の昔から戦いを繰り広げていた種族ということのようですので、コングをゴジラが襲撃するのもなんとなく納得できますし、映画序盤からコングに重点を当てて描いているためコングに対しては十分感情移入できる作りになっている。
コングが人間に捉えられている理由はゴジラに襲わせないためとの理由付けがされてたが、どのように髑髏島から連れ出されたのか?とかはちゃんと見たかったよね。今作はどちらかと言えばコング側に視点がおかれた作品ですので、ゴジラ側の行動原理が多少分かりずらいという欠点もある気がする。例えば、コングを海上輸送中にゴジラに襲われる展開なのですが、私の理解力がないことが原因かもしれませんが、これって単純にコングと戦うためにゴジラが襲撃をかけたの?それともモナークが〇〇を開発しようとしていたことのよるモナークが狙いの襲撃?どっち?
多分前者だと思うんですけど、ゴジラの目的がコングとモナークで2つあるんでどちらに対しての動きなのかがよく分からい部分もありました。

ただ、そのようなストーリー部分の多少の雑さがあったとしても怪獣プロレスという観点で見れば100点満点の出来の作品と言えるでしょう!!
これでもかというほど、ゴジラとコングの殴り合いを見せてくれますし、どちらの怪獣もリスペクトしつつ迎える結末にも納得。コングとゴジラの友情が芽生えたシーンにはなにかこう熱い青春映画を見ているような清々しい気分にさせられた。『バットマンvsスーパーマン』に似た構成ではあるけれど、圧倒的にこっちのほうが清々しい、デットプールが言っていたようにあっちはホント暗いんだよ、友情もクソもないわな。(ちなみに『バットマンvsスーパーマン』は大好な映画であるということは言っておきます)

まあそんな怪獣プロレスに大満足した他にも、この映画のある展開には私が映画に求める要素の一つである、"ロマン"を感じさせてくれて最高にワクワクさせられました。映画を見るとき、私は何を見たいのか、それは未だかつて見たこともないような映像、世界それが見たい!そこにロマンを感じたい!そんな私の欲望をなんとも予想外な形で叶えてくれたわけですよこの映画は!!あまりネタバレになるので言いにくいですが、「地球の中は空洞になっていて、そこには未知の世界が広がっている」、そんな雑誌「ムー」にでも載っていそうな阿保らしい話を、大真面目に実在するものとして描いてくれたのには感謝しかありません。あれはロマンですよ皆さん!!少年の抱くような未知の世界への憧れをこれでもかとばかりに映像化してくれたのには頭が下がります。恐らく、あの展開に対して、「バカバカしい」と感じる人と「ワクワクする」と感じる人がいると思いますが、私は後者でした。私には少年の心が残っていました。この心を今後も忘れないように生きていきたいものです。

ちなみに、私がここで言うロマンを感じさせてくれる映画として『2001年宇宙の旅』や『インターステラー』がありますが、『ゴジラvsコング』での地底世界への突入シーンは、これらのスターゲート突入のシーンであったり、ガルガンチュアへの突入シーンを意識しているのではと思いました。ああいう未知の世界への突入シーンって大好きなんですよね。





最後に…
あの地下世界さ、太陽もないのになんであんなに明るいんだよ!!ってみんな思わなかった?
アタフ

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