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バジュランギおじさんと、小さな迷子のmingoのレビュー・感想・評価

3.5
正統派エンタメの傑作。と一般的には言うんだろうが個人的には全然ささらず。。。連れは顔の汁穴という穴から汁を全部垂れ流してたし、隣のおばさんは泣きすぎてマスクの上滲んでたし、大感動する2人に挟まれて微動だにしない自分の感受性いかれてんの?って思った。まじか。作られた感動には2ミリも心が動かないじぶんにひいたわ。
しかしラストはサルマンカーンの泣きの演技にもってかれた。開始2分で結末も分かるのにもらい泣きしてしまうくらいにはこの圧倒的高い評価がうなづける。そして最後の最後に高い高い〜のテッペンでの静止画に大爆笑。なぜそこでとめたww
それにしてもあまりにも評価が高いし反対の感想はないか探してみたら、インドとパキスタンの国境警備の緩さをコメディとしてポップに描いたシーンだが実際にこんなに緩いの?という疑問がもやもやするという意見の方がいた。印パキの社会的問題を多くの人に向けて、分かりやすくエンタメとして落とし込んだ点はやはり肯定的に評価したい一方、ナイーブな問題を映画だからエンタメだからという理由で簡単に描かれるのは個人的にもどうかなと感じたし、ヒンドゥーとイスラムそれぞれで辛い思いを抱えているひとの立場だったら、国境に対峙した際どんな気持ちでどんな表情で立つのだろうかとふと疑問に感じた。つまり表現における両義性を内包した本作を良い悪いで評価するつもりもないのだが、全編にわたって映画の中のひとの感情が嘘や演技で固められたように私には見えてしまったため物語に入り込めなかったのが敗因だろうか。それでもやはりこの映画で印パキの関係性が少しでも良くなるのならこの映画を多くの人に観てもらいとは思う。偏見を拭い去り相手を思いやる心こそが壁を取り払うというエンタメにおける最重要メッセージを作品の構造そのもので表現している。
アップリンク真冬のシネマウィークワンコイン鑑賞にて。
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