真っ黒こげ太郎

スランバー・パーティー大虐殺の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.2
スラッシャー映画の”バイブル”遂に日本初上陸!

寧ろビデオバブルの時期にすら来てなかったのか…。
(VHS時代に来てそうなもんだが…)




高校の女子バスケ部員達が、両親が留守な部員の家で男子禁制のパジャマパーティーを開く。
例によって高校の男子が乱入したり、パーティーを抜け出して男子といちゃつく女子が出たりしながらもパーティは続く。

だが、そのパーティーに招かれざる客が現れた!!!
5人の命を奪い逃亡していた殺人鬼、ラス・ソーンが電動ドリルを武器に、密かに殺戮を開始していたのだ!!!




女子だらけのパジャマパーティに殺人鬼が襲撃し、大殺戮が繰り広げられるスラッシャー・ホラー。
何でも1982年の作品ながらスラッシャー映画のマスターピースとして海外では高い人気を誇っているらしい。

まぁ何にせよ、80~90年代の血みどろホラーが現代でもお手軽にレンタルできるようになったのは一ジャンルのファンとしては嬉しいかぎりですね。
ビデオスルーになりながらも未だに人気シリーズ等の新作がコンスタントに出たり、昔の作品がリマスターされたり、ジャンルの巨匠の新作がバンバン出たり…。
未だ元気なスプラッター・ホラー界隈が羨ましい…。コマンドアクション映画界隈のその優遇と活気を分けて欲しいよ…。
(まだ言ってんのか)

まぁそんな愚痴は兎も角、本作はB級映画の帝王ロジャー・コーマンが関わってる時点でアレっぽい感じがするので(失礼)あんまり期待しないで鑑賞。


話は単純明快!!!!
「ドキッ!女子だらけのパジャマパーティが開かれる中でイカレ殺人鬼が大乱入して大騒ぎ!!!」という、親の顔よりよく見た内容であります。(もっと親の顔を見ろよ)
オッパイをさらけ出すお色気シーンがあるわ、外野でいちゃつく男女が居るわ(当然コロコロされる)、最後は反撃するわで、やっぱり親の顔よりよく見る展開の連続!!!w

余談だが、女子の一人が引っ張り出したアダルト雑誌の表紙がまさかのスタローンさんのキメ顔!!!
確かに元々ポルノ出演経験のある俳優ではあるが、まさかこんな映画で(失礼)スタローンさんのご尊顔を見ることになるとは。w

本作の殺人鬼の顔や正体は最初から割れている(ってか素顔丸出し)が、その分開始6分で犠牲者を出し、その後もコンスタントに犠牲者を増やしまくるアグレッシ部っぷりを発揮。
中盤でパーティ描写がのんびり描かれるのでそこら辺はイマイチだが、後半からは殺人鬼との攻防をラストまで徹底的に描いており飽きずに楽しめる。
冷蔵庫から出てくる死体に気付かなかったり、死んだ宅配員が持って来たピザを躊躇なく食うなどコミカルな場面が挿入されるコミカルな描写も良い清涼剤になってる。(なってるのか!?w)
殺人鬼との戦いが終わったらすかさずエンドクレジットを始めるさっぱり感も良き。

80年代の作品にしてはテンポもかなり良く、77分と尺が短いのでサクッと見やすいのもポイント。
(逆に言えば、この手のベタな内容を描くならそんだけの尺で十分って事やな。w)

残酷描写に関してはさほど期待してなかったが、目玉抉れ死体が出てきたり、肩をドリルが貫通する場面を写したり、腕チョンパしたりと、特殊メイクの見せ場も思ったより多めで好感触。
まぁ今となってはそこまで大したグロさじゃないが、ロジャコマさん絡みにしては寧ろよくやった方じゃないかと。

因みに本作は女性監督故の比喩表現があるらしいが、俺はそこら辺に詳しくないんで割愛!!!
ネットでタイトル検索したら詳しく描かれてるんでそこを参考にしてくれ。(丸投げ)


ロジャコマさん制作なのでハッキリ言ってショボいが、良いテンポに気軽な尺、殺人鬼の殺戮&攻防に絞った潔い内容と、観客が見たいモノを分かってる内容で最後まで楽しめる。

難点を上げるなら、中盤のパジャマパーティーの場面が思ったより地味だった事でしょうか。まぁ予算の関係だろうけど…。
後、最終的に生き残り数名の反撃によって殺人鬼は討たれるのだが、正直最初の人数の方が多いので最初から皆で一斉に掛かれば良かったと思うのは俺だけ?w
(まぁ、そうしたら映画がすぐ終わっちゃうからしょうがない。)


激安映画の王様であるロジャー・コーマン氏制作故に身構えて挑みましたが、流石あちらでスラッシャー映画のマスターピースとなるのも頷ける良作でした。
今見ると時代を感じる所やアレな所もありますが、今なお続くスラッシャー映画の源流の一つとして、一見の価値アリですよ。


因みに本作は続編が3作も出てるらしいので、メーカーさんはなるべく早いとこリリース&レンタル発売をお願いします。
これフリだからね!?絶対続編も出せってフリだからね!?
(メーカーさんに直接言えや)