このレビューはネタバレを含みます
ライアン レイノルズは出演作が多く、軒並み高評価。今、1番勢いがあるかもしれない。
色んな作品に出まくっているサミュエル L ジャクソン。最初から最後までメインで出ているのは、近年レア。
マジメにフザける十八番とフザけてフザける職人芸の化学反応。それだけを2時間堪能する偏りの激しい贅沢な逸品。
2人が演じるダリウスとマイケルは、言わば最強の矛と盾。
犬猿の仲も裏返せば似た者同士。
噛み合って無い様で最強コンビ。
会話のやり取りは軽妙でテンポも良い。
キャラクターも案外に描けている。
マイケルの元恋人アメリア。
見た目も中身も、気が強くて正義感に溢れた女性は映画映えする。出番はそれなりにあるが、インパクトに欠ける。最強コンビが濃過ぎるから仕方無い。
ダリウスの妻ソニアは、犯罪組織の女ボス的風格。悪い事をする描写は無かった。
でも、同室の女性を隅に立たせる様から、一般人とも言い難い。
あれだけ大物扱いならば、普通に考えて独房なのでは。
あまり関わりたく無いヤバい奴。
でも、時折垣間見せる情の深さに、身を委ねてしまいたくなる。
残虐非道の独裁者を演じるゲイリー オールドマン。
純粋な悪の象徴として描かれた、スーパーヒーロー物のヴィランですら「実は良い奴だった」設定で制作される昨今。こんな悪に振り切ったキャラクターは久し振りに見るかも。
それでいて、コミカライズされていない。
素直に嫌悪感。
何でも良いから、こいつを倒してくれと思わせる。至高の演技力の賜物か、元々そう言う人間なのか。
アクションは、細切れカットで何やってるか分かり難い。
Netflix作品は今の所、同じ傾向。
技術が低いのか、俳優の安全重視なのか。
今作に関しては、サミュエル L ジャクソンを最強の殺し屋に配役したキャスティングの問題もあるだろう。
もう70超えてる役者が、今も強い殺し屋の動きを体現出来る訳が無い。
だから細切れで誤魔化すしか無い。
必然的に、他のキャラも細切れにしないと整合性が取れない。
前半は、ダリウスの強さが荒唐無稽で、正直戸惑った。
後半は、寧ろコメディ演出として楽しめた。
撃てば百発百中、撃たれても当たらず。
ライアン レイノルズが、サミュエル L ジャクソンの真似をしているシーンが和む。
マザファ