このレビューはネタバレを含みます
いくつかのレビューで散見できるように、期待される劇的な盛り上がりにはやや…という理由はわかる。
特にクライマックスになる剱岳への登頂シーンが、ストップモーションからの板付きは残念。
そこは登ってくる姿を写してよと。
おそらく、多くのシーンで実際の撮影隊の登山計画との兼ね合いで果たされた撮影が多いと思われる。
いくつかのシーンで、かなり大きく場面転換がなされたり、時間が省略されている。
このクライマックスの登頂シーンもそうだったのかもしれない。
映画の大御所だし、そんなもん解ってるはずだ。
この信じられないような絶景、そこにいる俳優たちがいるという状況、彼らの佇まいの変化などが劇的で、個人的にはこの映画を観て盛り上がらないわけがない。
多くの映画で過剰に盛り込まれる凡庸な展開より重視されたのが、この風景の活写だ。
盆百な作品の"天に向かって泣き叫ぶ、神経衰弱のような展開"になるのが劇的だと期待してるのであれば、この映画が映しているものは解らないだろう。
まあ、ハリウッド級の予算があれば観客に受けるクリフハンガーも盛り込めたのかもしれないが。
2000年代の日本で2年もかけて、よくぞこの日本映画を残していただけたと思う。
この映画のドキュメンタリーも観てみたい。
ちなみにDVD特典インタビューで浅野さん、香川さんが語る木村大作監督の無茶苦茶っぷりが笑えるw