Ay

ダンガル きっと、つよくなるのAyのレビュー・感想・評価

4.5
私の今年のベストムービーに入り込んでくる作品。
“お前の敵は相手選手じゃない、男より女を下に見るやつら全てだ”
うん、文句無しで面白かった!期待通り!号&泣。笑
主演、アーミルカーンは肉体をも操るのね..顔も変わるし演技も抜群。

父が生活の為手放さざるを得なかった夢、レスリング世界での金メダル。
諦めた夢を託すは自身の息子!!
ところが...生まれてきたのは4人皆女の子。
全てを諦め封印した矢先、長女と次女が男の子をボコボコに。
その姿を見た父は女子レスラーとしての才能を見出すのだった..というストーリー。

「真似はダメ、ゼッタイ。」
これ、私はとっても好きな作品になったんだけれど、一般の父親は真似しちゃダメな典型的な例。
自分の夢を子供に託すのはある種無理強いになるわけで。
逆に、夢を追う子供に無理矢理その道を諦めさせるのと同等に子から恨まれる可能性有りなワケですよ。
現に、女の子にも関わらず娘2人はレスラーにさせられるべく、女性の命とされる髪を切られ坊主にされ、村人から笑われて、酷く父に反感を覚えるのですわ。

私は高校生の時に楽器でやっていくんだって思ってその道の大学に進ませて貰ったけど、結局自分で“この土俵では闘えない”そう思って断念したんだ。
きっと、早い段階で両親は私に力が無いということは分かっていたはず。
それでも自分で進んで、自分で諦めることが出来たから全く後悔がないんだよ。
大学を反対されていたら、私は両親に反感を覚えたはず。
今となっては莫大な費用だったから止めてくれて良かったなんて思ったりもしちゃうんだけど。笑
そういう事を含めて、楽器の道では進まないと決めた時に両親に謝ったんだ。
なーんてことを思い出しました。

話逸れましたが、こちらは、父に先見の明有り、子に才能有りという稀なタイプです。
親は、見極めが難しい。
きっと、不快に思う観客も少なく無いはず。

とは言え、レスリングに詳しく無い私でも手に汗握り目からは大粒の涙、なんてったって試合のシーンが素晴らしい。
映画だからか、投げ技シーンも結構あるので素人でも見応えあって楽しめる。
ガラガラの映画館、ついつい男の子が身を乗り出しちゃうほど!

“お前を助けられないこともある。闘い方は教えるが、闘うのはお前だ”
最終戦は高揚感と感動で...一体どう撮っているんだろう、と思わせる試合をたっぷり堪能。

何か頂点を目指す人間は、絶対にある程度の生活を犠牲にしてるわけで、周りの影響を受けやすい十代の女の子が初めて“遊び”を覚えるシーンなんかは同情や共感を覚えます。

インドでは女の子は家事と料理を覚えさせられ、早くて14歳には嫁に出される、そんな中、別の生き方を勝ち取った姉妹は勇ましく美しい!

フィクションを交えながらもベースは実話、インド映画流石です。
あの伊調選手も闘った事のある選手だそうです。

毎回思うけど、インド映画音楽も素晴らしい。
エキサイティングムービー、オススメです。
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